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BtoBマーケティングで成功するリード獲得の基本と効果的な方法

BtoBマーケティングで成功するリード獲得の基本と効果的な方法

BtoBマーケティングにおいて、リード獲得は成功の鍵を握る重要なステップです。しかし「数」だけでは不十分で、質の高いリードを効率的に獲得し、商談化・成約につなげる仕組みづくりが欠かせません。

本記事では、リード獲得の基本から、顧客との接点づくり(オンライン・オフライン)、さらにリードナーチャリングやスコアリングを通じた商談化率向上、KPI設定とPDCAによる費用対効果の最大化までを解説します。

リード獲得の基本概念と重要性

リード獲得とは、将来的に顧客となり得る「見込み顧客」との接点をつくることを指します。特にBtoBマーケティングにおいては、購買プロセスが長期にわたり、かつ複数の意思決定者(経営層、部門長、担当者など)が関わるため、リード獲得はマーケティング活動の出発点として極めて重要です。

効率的なリード獲得を行うことで、次のような効果が期待できます。

  • リードナーチャリングの基盤を形成:接点を持った見込み顧客に対して、継続的な情報提供やコミュニケーションを実施できる。
  • リードクオリフィケーション(選別)の精度向上:獲得したリードを属性や行動データに基づいて評価し、営業に渡す優先度を判断できる。
  • 商談化率・成約率の向上:マーケティングファネルの上流で質の高いリードを獲得できれば、下流の営業プロセス全体の効率が改善する。

代表的なリード獲得の手法は、オンライン施策とオフライン施策に分けられます。

  • オンライン施策:広告運用(リスティング広告・SNS広告)、オウンドメディアの活用、コンテンツマーケティング(ホワイトペーパー、ブログ記事)、ウェビナー開催 など
  • オフライン施策:展示会・セミナー、業界紙や専門誌への広告出稿、郵送DMやイベント協賛 など

これらを単発で実施するのではなく、マーケティングファネル全体の設計図に基づき、顕在層潜在層それぞれに適したタッチポイントを配置することが成果につながります。
さらに、KPI(重要業績評価指標)設定を明確に行い、PDCAを回しながら「リードの量」と「リードの質」のバランスを最適化することが、長期的なBtoBマーケティングの成功に直結します。

リードとは何か?

リードとは、自社の製品・サービスに関心を示す「潜在的な顧客を指します。 BtoBマーケティングでは、このリードを獲得・育成し、最終的に商談・成約へつなげることがマーケティング活動の大きな目的となります。

リード(潜在的に興味を示している見込み客)

しかし、単に名刺やメールアドレスを獲得しただけでは有効なリードとは言えません。リードには「質」が存在し、その見極めが成果を大きく左右します。

代表的な例を挙げると、以下のようにリードの確度は大きく異なります。

  • 展示会で粗品目的でもらった名刺
    → 将来的な商談化可能性は低い
  • ホワイトペーパーをダウンロードした担当者
    → 高い関心を持っており、リードナーチャリング次第で商談化の可能性が高い

このように、リードには「量」だけでなく「質」の視点が不可欠です。
そのためには、以下の取り組みが重要になります。

  • リード定義の明確化:自社にとって「リード」とは誰を指すのかを具体化する
  • リードクオリフィケーション:属性や行動データを基準に、営業に渡すリードを選別する
  • 社内認識の共有:マーケティング部門と営業部門で「どの段階のリードを渡すか」を合意形成する

これにより、マーケティングファネルの中で適切にリードを評価でき、営業活動の効率化と商談化率の向上につながります。

リード定義に欠かせないペルソナ設定

BtoBマーケティングで効果的にリードを獲得・活用するためには、まず「誰に届けるのか」を明確にすることが欠かせません。その精度を高める手法が「ペルソナ設定」です。

◆ペルソナの設定とは?

ペルソナとは、自社がアプローチすべき典型的な顧客像を具体化したものです。例えば以下のように、業界や商材に応じて主要なペルソナを定義できます。

  • SaaS製品の場合 → 「中堅企業の情報システム担当者」
  • 製造業向け設備の場合 → 「工場長・購買部門責任者」

ペルソナの設定例

このように明確な人物像を描くことで、マーケティングメッセージやコンテンツの方向性がブレにくくなり、効果的なリード獲得施策につながります。

◆ペルソナを具体化するポイント

ペルソナを設計する際には、次の観点を押さえることが重要です。

  • 基本属性:年齢、役職、担当業務、意思決定プロセス
  • 業務課題:効率化、コスト削減、人材不足解消、新規事業推進 など
  • 求める情報:導入事例、技術資料、比較表、ROIやコスト削減のノウハウ
  • 情報収集チャネル:業界紙や展示会などのオフライン媒体、オウンドメディアやSNSなどのオンライン施策

こうした情報を整理することで、リードナーチャリングやコンテンツマーケティングの設計に直結します。

◆PDCAによる継続的改善

一度設定したペルソナが、必ずしも長期的に有効であるとは限りません。市場環境や顧客ニーズは常に変化するため、定期的に検証・改善を行う必要があります。

  • KPIを設定し、施策の成果を計測する
  • ペルソナと実際のリード属性を比較し、ギャップを分析する
  • PDCAを回しながらペルソナをブラッシュアップする

このプロセスを繰り返すことで、ターゲティング精度が高まり、獲得したリードをより効率的に商談化へと導けます。

リード獲得から商談化までのプロセス設計

BtoBマーケティングでは、単にリードを集めるだけでは成果につながりません。重要なのは、リード獲得から商談化までを一貫したプロセスとして設計することです。ここでは、マーケティングファネルに基づき、各段階での具体的なアプローチを解説します。

1. 顕在層へのリード獲得

顕在層はすでに課題を自覚しており、解決策を探している層です。この層に対しては、直接的なリード獲得施策が有効です。

代表的な施策は以下の通りです。

  • オンライン広告(リスティング広告・ディスプレイ広告)
    → 「課題解決を検索している層」にアプローチ可能
  • LP改善(ランディングページ最適化)
    → 訴求メッセージやCTA(行動喚起)を調整し、コンバージョン率を最大化
  • 業界紙・専門媒体広告
    → 特定業界の確度の高い層に効率的にリーチ

この段階では「確度の高いリードをいかに取り込むか」がポイントとなります。

2. 潜在層への認知拡大

潜在層はまだ課題を自覚していない、あるいは情報収集中の段階です。この層へのアプローチは、中長期的な視点が必要です。

有効な施策には次のようなものがあります。

  • オウンドメディア運用
    → SEO記事やブログ記事を通じて、課題認識前の層に情報提供
  • コンテンツマーケティング
    → ホワイトペーパー、eBook、ウェビナーで専門性を訴求
  • 展示会・セミナー(オフライン)
    → リアル接点による信頼構築、初期接触のきっかけ創出

潜在層の認知拡大を継続的に行うことで、将来のリード獲得母数を増やすことができます。

3. 商談化率の向上

獲得したリードを効率的に商談化につなげるには、リード管理が不可欠です。リード管理とは、リードを適切に追跡し、効果的に育成するための戦略です。また、リードの質を向上させることで、コンバージョン率を高め、より効率的なマーケティング投資が可能になります。具体的な方法としては、リードナーチャリングリードスコアリングが挙げられます。

◆リードナーチャリング

リードナーチャリングとは、顧客の関心を段階的に引き出し、関与を深めていくプロセスです。BtoBでは購買プロセスが長期化し、複数の意思決定者が関与するため、段階的な育成が不可欠です。

  • 顧客のニーズや関心に応じたコンテンツを適切なタイミングで提供
  • 〈コンテンツ例〉
    • ウェビナーの開催
    • ホワイトペーパーや事例資料の提供
    • 定期的なメールマガジンの配信
  • 目的:購買意欲を引き出し、リードを商談に結びつける

◆リードスコアリング

リードスコアリングは、リードの質を定量的に評価し、最適な対応を決定する手法です。

  • リードの行動履歴や属性データに基づき点数を付与
    • 〈例〉メール開封率やリンククリック、資料ダウンロードなど
  • 高スコアのリードに優先的に営業リソースを投入
  • 効果
    • 成約に近いリードを効率的に特定
    • 営業・マーケティング活動の効率向上

リードスコアリング例

◆リードクオリフィケーション

リードクオリフィケーションは、獲得したリードの中から「商談につながる可能性の高いリード」を見極めるプロセスです。質の高いリードに営業リソースを集中することで、商談化率を向上させます。

  • 評価基準
    • リードの属性(会社規模、業種、役職など)
    • 行動履歴(ウェビナー参加、資料ダウンロード、サイト閲覧状況など)
    • 関心度・購買意欲の指標(スコアリングと連動可能)
  • 手法
    • 営業部門とマーケティング部門で基準を統一
    • 高度なリードは営業に引き渡し、低スコアリードはナーチャリングで育成
  • 効果
    • 商談化につながるリードにリソースを集中できる
    • 営業活動の効率化と商談化率向上

これらを組み合わせることで、営業リソースを「商談化可能性の高いリード」に集中させることができ、成約率を大きく引き上げられます。

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4. 費用対効果の最大化

マーケティング施策を継続的に改善するには、KPI設定PDCA運用が欠かせません。

  • KPI例:リード獲得単価(CPL)商談化率受注率LTV(顧客生涯価値)
  • データ活用:広告経由 vs オウンドメディア経由などチャネルごとの効果比較
  • 改善手法:LP改善コンテンツ更新ターゲティング見直し

これにより、投資対効果を可視化し、限られた予算で最大限の成果を得ることが可能になります。また、定期的なデータ解析を通じて、最新のトレンドや消費者の関心の変化に柔軟に対応することも重要です。

まとめると、

  • 顕在層には短期的に成果を出す施策
  • 潜在層には中長期での認知拡大施策
  • 商談化ではリード管理の仕組み化
  • 費用対効果KPI(重要な業績指標)PDCAで改善

という流れで設計することが、BtoBマーケティングでの成功の近道です。

ターゲットに合ったリード獲得方法の選択

リード獲得では「どのチャネルで、どのようなターゲットに接触するか」を明確にすることが重要です。特にBtoBでは、意思決定者と情報収集担当者が異なるケースも多いため、オンライン施策とオフライン施策を組み合わせてファネル全体を設計することが成果を左右します。

オンライン施策

◆デジタル広告・SNS広告

高精度なターゲティングにより、特定のリード層へ効率的にアプローチ可能。
〈ターゲット属性例〉業種、職種、地域、興味関心、年齢、性別、閲覧履歴、検索キーワード

  • BtoB向けにはリスティング広告ディスプレイ広告SNS広告を活用
    • 〈例〉LinkedIn広告で「製造業の購買部門マネージャー」に配信
    • 〈例〉ターゲット属性に応じてFacebookなどのSNS広告を活用
  • 精緻なターゲティングにより、無駄を減らし効率的にリード獲得
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◆媒体社のメール配信サービス

自社リストだけでは届かない潜在顧客に効率よくアプローチできる。
〈例〉業界専門メディアが保有する読者リストに、自社製品紹介メールを配信

  • 大量配信が可能で、コストも比較的低い
  • 短期間で広くリーチできる
  • 受信者が気軽にリンクをクリックできるため、自社サイトやLPへの集客に効果的
  • 成果を高めるには、媒体社の読者層が自社ターゲットと合致しているかを確認することが重要

弊社では、建築業や製造業向けのユーザーリストを活用したメール配信サービス「MMS(メールマーケティングサービス)」を提供しています。MMSは、一般的なメール配信システムとは異なる独自のサービスです。業界のキーマンへのアプローチや、自社保有リスト以外への配信、信頼性の高いユーザーリストの活用をお考えの方は、ぜひこちらで詳しくご覧ください。

メールマーケティングサービス

◆オウンドメディア(SEO)

中長期的に検索流入からリードを蓄積できる。広告費に依存せず「自社資産」として持続的に効果を発揮。

  • ターゲットの課題や関心に沿ったコンテンツを提供
    • 〈例〉「製造業 IoT 事例」などの検索ワードで記事を上位表示し、資料ダウンロードへ誘導
  • コンテンツマーケティングと組み合わせ、リードナーチャリングの基盤として活用可能

コンテンツSEOの基礎知識や成功のポイントをわかりやすく解説した資料をご用意しておりますので、ぜひご活用ください。

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オフライン施策

◆展示会・オフラインイベント

潜在顧客と直接対話を通じて信頼関係を築ける。初期接触の段階で相手の課題やニーズを把握できるのが強み。

  • フォローアップを丁寧に行うことで、長期的な信頼関係と顧客化の可能性を向上
    • 〈例〉展示ブースでの商談後にフォローアップメールを送付
    • 〈例〉役立つ記事やホワイトペーパーの共有、次回イベントの案内
  • 継続的に価値を提供することでナーチャリング効果を高める

さまざまな業界のイベントをまとめた便覧やWEBサイトもあります。イベスルなどは貴社に合った展示会を検索できます。

◆業界紙・専門誌広告

認知度が高く、業界関係者に確度の高いリーチが可能。信頼性の高い媒体を利用することで、自社のブランド力向上にもつながる。

弊社の出版事業で発行している『インダストリアルカード』は主に電子機器・機械・輸送用機器(自動車)・化学・食品などの技術者(研究開発・設計・製造・技術)に直接貴社の製品情報を届けることができ、リード獲得もできる媒体です。

製造業技術者向けカード型情報誌 インダストリアルカード

建築士からのリード獲得ができる『アークカード』という媒体もあります。

建築士向けカード型情報誌 アークカード

◆リード獲得チャネルの比較表

チャネル強み弱み・注意点活用例
デジタル広告・SNS広告精緻なターゲティングが可能/短期間でリード獲得広告費が継続的にかかる/広告疲れが起きやすいLinkedIn広告で購買部門責任者へ配信
媒体社のメール配信サービス自社リスト外にも効率的にリーチ/業界特化の精度配信リストの質に依存/反応率は自社リストより低め業界メディアの読者リストへ製品案内
オウンドメディア(SEO)中長期的に安定したリード獲得/資産として積み上がる効果が出るまで時間がかかる/継続運用が必要技術記事から資料ダウンロードへ誘導
展示会・オフラインイベント直接対話で課題を把握/信頼関係を築きやすい出展コスト・準備工数が大きい/参加者数に左右される展示会で商談 → フォローアップメール
業界紙・専門誌広告業界内での認知・信頼獲得に有効/ターゲット精度が高い費用が高額になる場合がある/効果測定が難しい業界誌に製品紹介記事を掲載

オンライン×オフラインの組み合わせが成果を左右する

単独施策に依存するのではなく、以下のように補完的に活用することで、獲得効率が高まります。

  • 展示会で接触した名刺リストに対して、メール配信システムでフォロー
  • オウンドメディアで資料ダウンロードしたリードを、オフラインイベントへ招待
  • 業界紙広告で認知を獲得し、デジタル広告で再ターゲティング

オンラインは「広く効率的に」、オフラインは「深く信頼を構築」と役割分担を意識し、マーケティングファネル全体を見据えた設計が成果につながります。

まとめ

リード獲得は、BtoBマーケティングにおける最初の一歩であり、将来的な売上につながる重要なプロセスです。単にリードを集めるだけでなく、顕在層・潜在層それぞれに適切なアプローチを行い、ナーチャリングとスコアリングを通じて商談化へと導くプロセス設計が成功の鍵です。
また、オンライン・オフライン・コンテンツマーケティング・オウンドメディアを組み合わせて実施することで、成果を最大化できます。


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