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AI Overviewとは? SEOはどう変わる? コンテンツ戦略の新常識を解説

AI Overviewとは? SEOはどう変わる? コンテンツ戦略の新常識を解説

以前の投稿では、Googleが提供する新たな検索体験「SGE(Search Generative Experience)」についてご紹介しました。そして2024年5月、Googleは試験提供していたSGEをさらに進化させた正式機能として、「AI Overview」をリリースしました。

今回は、この本格的に展開が始まったAI Overviewの特徴や注目すべきポイント、そしてSEO対策に求められる考え方の変化について解説します。

SGEについては、こちらのページで紹介しています。

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AI Overviewとは

AI Overviewとは、Googleが検索結果に導入している生成AIによる要約表示機能です。

  • ユーザーが検索したキーワードに対して、検索結果ページの最上部に「AIがまとめた情報(概要)」が表示されます。
  • 複数のWebページを参照して、関連情報を要約した自然な文章を生成します。
  • 回答の元になったページへのリンクも表示されます。

「BtoBマーケティング」での検索結果例

AI Overview「BtoBマーケティング」での検索結果例

AI Overviewのメリット・ポイント

以下にAI Overviewのメリットやポイントを紹介します。

検索結果の“答え”を一瞬で要約

AI Overviewは、ユーザーの検索意図をAIが理解し、複数のWebページから関連情報を抽出・統合して要約を提示します。従来のように複数のページを開いて情報を比較・整理する時間や手間を大幅に削減することができます。

複雑な質問や調査ニーズにも柔軟に対応

AI Overviewは、「○○のメリットとデメリットは?」「○○と××の違いを比較して」「○○を始めるには何が必要?」といった、抽象的で多面的な質問や専門性が高く比較が難しいテーマに対しても、AIが文脈を理解し、関連情報を包括的かつ整理された形で提示します。

追加質問にも対応した会話型の検索体験

AI Overviewでは、検索体験が従来の「一問一答型」から、コンテキストを保持した「会話型」へと進化しています。ユーザーは、「もう少し詳しく教えて」といった追加の質問をそのまま続けて入力でき、前のやり取りの文脈を保ったまま、情報を自然に深掘りしていくことが可能です。

情報の出典元も明記

AIが生成した回答には、参照元となったWebページのリンクがあわせて表示されます。ユーザーは情報の出どころをすぐに確認でき、信頼性の判断や詳細の確認もスムーズに行えます。必要に応じて、出典元のサイトへ直接アクセスできる点も大きな利便性の一つです。

AI OverviewとSEOの関係性

AI Overviewは、ユーザーが求める情報へ瞬時にアクセスできるよう設計されており、Google検索における「ゼロクリック体験」をさらに進化させた形です。この機能は、特にBtoBマーケティングにおいて、SEO戦略の方向性に大きな影響を与える可能性があります。

ゼロクリック体験:AI Overviewのような「ゼロクリック体験」とは、ユーザーが検索結果ページをクリックせずに答えを得ることができる状態を指します。AIが情報を要約してトップに表示するため、ユーザーはリンクをクリックする必要がなくなるケースが増えるのです。

SEOを理解するための基礎知識をわかりやすく解説した資料をご用意しておりますので、ぜひご活用ください。

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AI Overviewによって、SEOは必要なくなるのか?

結論から言うと、SEOが完全に不要になるわけではありませんが、従来のSEO対策だけでは通用しにくくなります。

自然検索からの流入は減少する可能性がある

AI Overviewに要約された情報が検索結果のトップに表示されると、ユーザーはその情報だけで満足し、リンクをクリックせずに離脱するケースが増えると考えられます。その結果、たとえ検索結果で上位に表示されていても、オーガニックリンクのクリック率が低下する可能性は高いと言えるでしょう。

特に、「○○とは?」「定義」「How-to」といった情報収集型のキーワードはAIによる要約の対象になりやすく、影響を受けやすい領域です。これまで、こうしたキーワードから安定的な流入を得ていたBtoB企業のサイトは要注意です。

SEO戦略の今後の方向性

情報の“提供元”として選ばれることが重要に

AI Overviewの登場により、「SEOは不要になるのでは?」という声もありますが、実際にはSEOの価値はむしろ高まると考えられます。
なぜなら、AI Overviewが提示する回答の多くは、既存のWebページを情報源として要約されたものだからです。
つまり、AIに出典元として選ばれることができれば、ブランドの認知拡大や専門性のアピールにつながる可能性が高くなるのです。
このため、E-E-A-T(Experience/Expertise/Authoritativeness/Trustworthiness)を意識した高品質コンテンツの重要性は、これまで以上に高まっていくと言えるでしょう。

Googleは公式に、質の高いコンテンツを評価する要素としてE-E-A-Tの考え方を示しています。

Googleの自動システムは、さまざまな要因に基づいて優れたコンテンツをランク付けするように設計されています。関連するコンテンツを特定した後、最も役に立つと判断されたコンテンツに高い優先順位を付けます。そのために、どのコンテンツが、エクスペリエンス(Experience)、高い専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)、すなわち E-E-A-T の面で優れているかを判断するための要素の組み合わせを特定します。

参照元:Google検索セントラル – 有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成

AI Overviewに選ばれるコンテンツの条件

以下のような特性を持つコンテンツが、AIによって参照されやすい傾向にあります。

  • 明快で論理的な構成、構造化された文章(情報構造・FAQの設置・見出しや箇条書きの最適化が重要)
  • ユーザーの疑問や検索意図に的確に答えている(「〇〇とは△△です」など)
  • 高い信頼性や専門性を備えた一次情報(特にBtoB領域で重要)

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AI Overview時代のコンテンツ制作:シフトすべき方向性

「単なる情報提供」から「意味ある解釈・独自視点」へ

〈従来型〉
・「○○とは?」のような基本情報を網羅するだけ
・Wikipediaや他サイトと内容がほぼ同じ
・差別化がない解説コンテンツ

↓これからは、

  • 実務経験や事例、業界特有の背景を含む独自の視点
  • 「なぜそれが重要か」「どう活用するか」といった“解釈”を含めた説明
  • ユーザーの目的や文脈に沿ったストーリー構成

AIは表層的な情報を抽出する傾向があるため、「深み」や「視点」があるコンテンツは引用対象になりやすくなります。

「キーワード主導型」から「検索意図主導型」へ

〈従来型〉
・キーワードを含めるための不自然な見出しや文章
・とにかく“網羅する”ための冗長なコンテンツ

↓これからは、

  • 検索ユーザーが何を知りたいか、どんな問題を解決したいかを明確に捉える
  • 「このキーワードで検索する人は、どういう立場で、何に困っているか?」を想定
  • 検索意図に応じて、要約→深掘り→事例→導線といった構成を組み立てる

検索意図に合った明快な構成は、AIが要点を抽出しやすく、引用されやすくなります。

「アクセス獲得目的」から「信頼・ブランド形成目的」へ

〈従来型〉
・トラフィックを増やすための「とりあえず流入」狙いの量産コンテンツ
・検索順位にこだわりすぎた形式的な記事

↓これからは、

  • 「この企業・人の情報なら信頼できる」と思わせるようなブランドコンテンツ
  • 実名性・一次情報・具体事例など、信頼性を感じさせる要素を盛り込む
  • アウトプットをホワイトペーパーや営業資料に再利用可能なレベルまで高める

AI Overviewで社名やブランドが露出すれば、クリックされなくても認知や指名検索に波及する可能性があります。

最終的な目標:「AIの要約に選ばれるに値する」質と構造を持つこと

例えば、BtoBコンテンツでは、

  • よくあるQ&Aを箇条書きで整理
  • 用語や概念の定義+自社なりの補足解釈
  • 具体的な活用事例・図解・数字を含める
  • 最後にユーザーが“次に知りたいこと”まで予測して案内する

このように、単なる情報で終わらず、信頼・構造・価値ある深掘りを持った価値提供型のコンテンツが、AIにもユーザーにも選ばれるようになります。

まとめ:AI OverviewによるSEOの目的の変化

AI Overviewの普及により、従来の「検索順位を上げること」だけを目的としたSEOは、徐々にその効果が薄れていく可能性があります。
しかし一方で、AIに参照される情報提供元として選ばれるためのSEOは、むしろその価値を高めていくと言えるでしょう。

これまで主にコンバージョン獲得を重視していたSEOに加えて、認知拡大・ブランド信頼の構築・中長期的なナーチャリングといった視点が、今後ますます重要になります。
つまり、SEOの必要性がなくなるのではなく、その意味と目的が進化していくということです。


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