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2025年10月の主要WEB広告メディアアップデート情報まとめ

2025年10月の主要WEB広告メディアアップデート情報まとめ

2025年10月(一部2025年9月)の間に発表があった、Google広告やYahoo!広告、Microsoft広告などのWEB広告メディアのアップデート情報をいくつかピックアップしました。

参照元サイトは英語版のみの場合もあります。

Yahoo!広告のアップデート情報

【検索広告】推定コンバージョンの提供を開始

参照元:LINEヤフー for business -【検索広告】推定コンバージョン提供開始のお知らせ

Yahoo!広告の検索広告において、「推定コンバージョン」機能の提供が始まります。 これは、広告経由のコンバージョンを直接測定できない場合に、統計モデルを用いて推定値を算出する仕組みです。

昨今、iOSなどのプラットフォーム規制やブラウザーの制限により、広告の効果測定が難しくなるケースが増加しています。そこで、新たに「推定コンバージョン」でデータを補完し、より正確な広告評価が可能になります。

■推定コンバージョンとは?
直接測定できないコンバージョンを、測定可能なデータをもとにモデル化して推定した値で、観測できないデータを補完し、広告成果の正確な評価を可能にします。コンバージョンデータの増加により、広告配信や入札戦略の最適化、精度向上が期待できます。

〈注意事項〉
・コンバージョンは、推定値と実測値の合算で表示され、区別はできません。
・推定コンバージョンの対象は、クリック経由のウェブコンバージョンのみで、アプリコンバージョンなどは対象外となります。

【ディスプレイ広告(運用型)】ポートフォリオ入札機能を追加

参照元:LINEヤフー for business -【ディスプレイ広告(運用型)】ポートフォリオ入札機能追加のお知らせ

Yahoo!広告のディスプレイ広告(運用型)に、「ポートフォリオ入札」機能が新たに追加されました。これにより、複数のキャンペーンをまとめて入札戦略を設定・最適化でき、運用効率と広告効果の両立が可能になります。

■ポートフォリオ入札とは?
アカウント単位で入札戦略を作成し、複数キャンペーンに共通設定できる機能です。同一のポートフォリオ入札設定に含まれるキャンペーンをまとめて最適化できます。新規または実績の少ないキャンペーンでも、他の実績データを活用して安定配信が可能です。

〈「コンバージョン数の最大化(目標値あり)」の利用イメージ〉

「コンバージョン数の最大化(目標値あり)」のご利用イメージ

〈活用イメージ〉

ポートフォリオ入札機能 活用イメージ

〈主なメリット〉

  • 運用工数の削減
    キャンペーンごとに個別設定する必要がなく、一括で管理可能。
  • 配信安定性の向上
    新規キャンペーンでも過去データを活用できるため、初期から安定した配信が可能。
  • 共有予算との相乗効果
    「キャンペーン間の共有予算」と組み合わせることで、入札と予算を横断的に最適化し、全体目標の達成率を高められる。

■利用可能な入札戦略
ポートフォリオ入札機能で利用可能な入札戦略は、自動で入札価格を調整する入札戦略のみです。
・クリック数の最大化
・拡張クリック単価
・動画再生数の最大化
・コンバージョン数の最大化(目標値あり/なし)
・コンバージョン価値の最大化(目標値あり/なし)
・友だち追加数の最大化(目標値あり/なし)
・ビューアブルインプレッション数の最大化

【検索広告】「広告アセットの充実度」にクイックリンクアセットが評価対象として追加

参照元:LINEヤフー for business -【検索広告】「広告アセットの充実度」の評価指標にクイックリンクアセットを追加

Yahoo!広告の検索広告において、広告効果の改善に役立つ指標「広告アセットの充実度」がアップデートされ、これまでタイトルや説明文などを中心に評価していた指標に、「クイックリンクアセット」が新たに加わります。

※実施時期:2025年10月より順次適用予定(アカウントごとの適用タイミングは非公開)

■クイックリンクアセットとは?
広告下部に、広告タイトルのリンク先(最終URL)とは異なるリンクを追加できる機能です。サイト内の関連性の高いページに誘導することで、コンバージョン率の向上が期待できます。

■広告アセットの充実度とは?
レスポンシブ検索広告(RSA)の設定内容が最適化されているかを示す指標で、2025年8月27日に「広告の有効性」から名称変更されました。指標を確認・活用することで、広告のパフォーマンス改善に役立ちます。

【ディスプレイ広告(運用型)】オーディエンスリスト(高度なセグメント)におけるユーザー拡張設定機能の追加

参照元:LINEヤフー for business -【ディスプレイ広告(運用型)】オーディエンスリスト(高度なセグメント)におけるユーザー拡張設定機能の追加

ディスプレイ広告(運用型)において、オーディエンスリスト(高度なセグメント)に、新たに 「ユーザーの拡張範囲」 設定が追加されました。今回のアップデートにより、より柔軟に配信対象ユーザーの範囲を調整できるようになりました。

■ユーザーの拡張範囲とは?

設定項目概要特徴・効果
広い
(初期設定)
入力したキーワードをもとに、類似語・表記ゆれ・言い換えなども含めて配信範囲を拡張・より多くのユーザーにリーチ可能
・リーチ最大化に適した設定
狭い入力したキーワードに近い検索意図を持つユーザーを中心に配信・配信対象を限定
・意図を維持した精度の高いターゲティングが可能

■高度なセグメントとは?
「高度なセグメント」は、指定したキーワードまたはURLをもとに作成するオーディエンスリストです。

  • キーワード指定の場合
    指定キーワードを検索したユーザー+関連行動が類似するユーザーへ広告配信。
    今回追加の「ユーザーの拡張範囲」で、配信対象を柔軟に調整可能。
  • URL指定の場合
    指定URLおよびその下層ページを訪問したユーザーに広告配信。

【ディスプレイ広告】顧客データのオーディエンスリスト機能がアップデート

参照元:LINEヤフー for business -【ディスプレイ広告】顧客データのオーディエンスリストにおける機能改善

Yahoo!広告は、ディスプレイ広告(運用型/予約型)における「顧客データオーディエンスリスト(顧客データリスト)」の機能改善を発表しました。これにより、データの活用期間が大幅に拡大し、より長期的な広告配信やリターゲティング施策が可能になります。

※実施日:2025年10月23日(木)

■顧客データリストの有効期間拡大
・変更前:1〜60日間(初期値60日)
・変更後:1〜180日間(初期値180日)

■類似ユーザー生成の「参照期間」拡大
・変更前:28日間
・変更後:180日間

■顧客データアップロード履歴の表示期間を延長
・変更前:30日間
・変更後:180日間

Google広告のアップデート情報

【Google検索広告】「スポンサー広告」表示を変更

参照元:Google Ads & Commerce – We’re improving navigation and introducing a new control for ads on Google Search.

Google広告は検索結果ページにおける広告表示のデザインを刷新し、ユーザーがよりスムーズに情報を見つけられるよう改善しました。
Googleによると、この新しい構成は「ページ上部のナビゲーションをよりわかりやすくし、ユーザーが求める情報へスムーズに到達できるようにする」ことを目的としています。
デスクトップ版・モバイル版ともに、すでに順次世界中で展開中です。

■広告のラベル表示を統一

・テキスト広告は、これまでの個別ラベルではなく 「スポンサー広告」結果 として1つのグループにまとめて表示。
・このラベルはスクロールしても画面上部に固定され、広告とオーガニック結果を明確に区別できます。
・最大4件までのテキスト広告がこのグループに含まれます。

■新機能「スポンサー付き結果を非表示」ボタンを追加

・ユーザーはワンクリックでスポンサー付き結果(広告)を折りたたみ、オーガニック検索結果のみに集中可能。
・広告を完全に消すのではなく、「一時的に隠す」ことで検索体験をより自由に。

■広告サイズや構成はそのまま

・広告枠のサイズや表示数(最大4件)は従来と変わりません。
・テキスト広告だけでなく、ショッピング広告など他の広告ユニットにも新ラベルが適用 されます。

項目旧デザイン新デザイン
広告表示ラベル個別に「スポンサー」表記グループ化された「スポンサー広告」結果
スクロール時の表示ラベルの固定表示なしラベルが固定表示
ユーザー操作非表示機能なし「スポンサー付き結果を非表示」ボタン追加
適用範囲テキスト広告中心ショッピング広告などにも適用

【Google広告】デフォルトのコンバージョン目標設定を最適化

参照元:Google Ads Developer Blog – Streamlined Account-Default CustomerConversionGoal Behavior in Google Ads

Google広告は 2025年11月17日より、自動的に作成されるコンバージョン目標のデフォルト設定の動作を変更します。
これまで、本来入札対象にすべきでない目標が含まれてしまうケースがあり、キャンペーンのパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性がありましたが、今回のアップデートにより、入札最適化の精度向上と不要な目標の削減が図られます。

〈主なアップデート内容〉

  • 新しいコンバージョン目標の扱い
    変更前:自動的に「アカウントデフォルト」に設定される
    変更後:同じカテゴリ内の既存目標がすべて「アカウントデフォルト」である場合のみ、新しい目標もアカウントデフォルトとして設定される
  • 目的
    変更前:入札対象の不要な目標を削減し、最適化精度を高める
    変更後:意図しない目標を自動入札から除外し、パフォーマンスを改善

【Google広告】P-MAXキャンペーンにおけるレポート機能を強化

参照元:Google Ads & Commerce – Get more visibility in Performance Max with new asset and channel reporting improvements.

Google広告は、P-MAXキャンペーンにおけるレポート機能をさらに強化しました。これにより、アセットやチャネルの成果をより細かく分析できるようになります。

■アセットレポートの詳細セグメント化

アセット(画像・動画・テキストなど)の成果を、以下の軸で分解して確認できるようになりました。これにより、アセット構成の最適化(=どの素材をどの媒体に重視すべきか)がより正確に行えます。

  • デバイス:PC・スマートフォンなど、端末別の成果比較
  • 時間:曜日・時間帯などによるパフォーマンスの変化
  • コンバージョン:どのアセットが成果につながっているかを可視化
  • ネットワーク:検索、ディスプレイ、Discover、Gmail、YouTube、マップなど媒体別の効果を確認可能

■チャネルパフォーマンスレポートの改良

今年導入された「チャネル別パフォーマンスレポート」に、以下の新機能が追加されました。これにより、チャネルごとの費用対効果や成果の違いをより明確に把握できます。

  • アカウント単位で、すべてのP-MAXキャンペーンのチャネルレポートを一括ダウンロード可能に
  • レポート画面でチャネルごとのコストを可視化
  • ROI(投資利益率)列を追加可能
  • コンバージョンアクションや広告イベントタイプ(例:エンゲージ ビュー コンバージョン)で結果をセグメント化
  • 入札制限などによる配信制約(limited serving)の診断項目を追加

Googleは今後も、チャネルパフォーマンスレポートのさらなる改善を予定しており、ユーザーからのフィードバックを継続的に反映していくとしています。

【Google広告スクリプト】ドキュメントのアップグレード

参照元:Google Ads Developer Blog – Google Ads scripts documentation upgrade

Google広告スクリプトのドキュメントがリニューアルされました。直感的で使いやすくすることに注力されています。

  • 論理的に分類されたガイド
    ドキュメントをカテゴリごとに整理。基本概念から各キャンペーンタイプの応用まで、必要な情報にすぐアクセス可能
    → 関連トピックをスムーズに移動でき、効率的にスクリプトを作成できる
  • 専用リファレンスタブ
    スクリプトで使用可能なオブジェクトをすぐに確認可能
    → Google Ads APIドキュメントと統一感のある体験を提供、必要なリソースに直接アクセス可能
  • ソリューションとサンプルコードの統合
    → すべてのサンプルコードを一箇所で確認でき、応用・改変が容易に

Microsoft広告のアップデート情報

パフォーマンスレポート – デスクトップ経由のコンバージョン率はモバイルの1.5倍

参照元:Microsoft Advertising – Boost Your Conversion Rate by 52%: The Desktop Performance Report

スマートフォンの利用が主流となる中でも、デスクトップは依然として「意思決定の場」として重要な役割を担っています。
Microsoftの最新レポートによると、デスクトップのコンバージョン率はモバイルより52%高いことが明らかになりました。

■デスクトップ利用の特徴と強み

・コンバージョン率:モバイル比 +52%
・広告クリック率:モバイル比 +19%

ユーザーがデスクトップを選ぶ主な理由として、「大きな画面で比較・検討しやすい」「詳細な情報を確認しやすい」「決済や申し込みといった重要なアクションに集中できる」点が挙げられます。特に、金融商品や旅行、高額商材、BtoBなど、検討期間が長く情報量の多い商材カテゴリでその強みが発揮されます。

■Copilot × デスクトップで高まる成果

生成AI(Copilot)による検索・購買行動の変化により、デスクトップは再び注目を集めています。
・AI検索利用の86%がデスクトップ経由(2024年11月〜2025年2月)
・Copilot利用者の38%がBing利用を増加
・74%が「Copilotは従来検索を補完する」と回答

デスクトップは、AIによる調査・比較・最終判断に最適な環境であり、Copilot活用による成果拡大が期待されます。

■デスクトップ広告で成果を上げるためのポイント

  • パフォーマンス分析
    デバイス別にコンバージョン率・ROIを確認。デスクトップ貢献を可視化。
  • クリエイティブ強化
    比較表・詳細デモ・顧客事例・スペック情報など「深い情報」を活用。
  • クロスデバイス戦略
    モバイル → デスクトップの流れを意識し、一貫したメッセージ設計を。

弊社ではWeb集客の分析や改善提案など、製造業・建築業に特化したデジタルマーケティングのプロがトータルサポートを行っております。いつでもご相談ください。

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