2023年(1月~12月)中に発表があったWEB広告メディアのアップデート情報のなかで、重要なものをいくつかピックアップしました。
参照元サイトは英語版のみの場合もあります。
■Yahoo!広告
【全般】
「MCCアカウントの関連付けにおける制限事項の追加」
参照元:https://s.yimg.jp/images/ads-promo_edit/support/pdf/Restrictions_MCCaccountlink.pdf
同一企業内でMCCアカウントを複数持っている場合、広告アカウントの関連付けが1つのMCCアカウントにつき1件までに制限されました。
今回の制限は新規で関連付けをする場合のみに適用されます。
なお、別企業のMCCアカウントであれば、これまでどおり1つの広告アカウントに複数のMCCアカウントを関連付けられます。
「MCCアカウント 複数階層構造での設定に対応」
参照元:https://www.lycbiz.com/jp/news/yahoo-ads/20230727/?service=yahoo-ads&page=3
MCCアカウントを複数の階層構造で設定できるように変更されます。
MCCアカウントはルートMCCを含め、最大5階層まで設定可能になります。
ルートMCCとは、企業配下にある全てのMCC、および広告アカウントの最上位に位置するMCCアカウントのことです。
1企業に対して1つ作成され、企業の「ツール管理者」に対してのみルートMCCの「管理権限」が付与されます。
「キーワードアドバイスツールの提供終了」
参照元:https://www.lycbiz.com/jp/news/yahoo-ads/20230601/
2023年5月31日(水)に検索広告で提供されていた以下の機能を終了しました。
・キーワードアドバイスツール
・最適化提案画面における「週あたりの予測効果」などの予測値表示
ヤフーはキーワードアドバイスツール終了後について、”最適化提案における「新しいキーワードの追加」のご利用をご検討ください。”と提案しています。
「Yahoo!タグマネージャーがサービス終了」
参照元:https://www.lycbiz.com/jp/news/yahoo-ads/20230627/?service=yahoo-ads&page=2
Yahoo!タグマネージャーが2024年6月30日(日)にサービス終了します。
Yahoo!タグマネージャーとは、Yahoo!社が提供しているさまざまなタグを一元管理できるタグマネジメントサービスのことです。
終了に伴い以下の点に注意が必要です。
・Webサイトからユニバーサルタグを削除してください。2024年6月30日の機能停止後も設置したままの場合、サイトの表示速度に影響を及ぼす可能性があります。
・Yahoo!タグマネージャーの代替機能はありません。サービス終了後は他社サービスを利用するか、タグマネージャーに登録していた各サービスが提供するタグを利用してください。
【リスティング広告】
「オークションインサイト機能の提供開始」
参照元:https://www.lycbiz.com/jp/news/yahoo-ads/20230126/
2023年1月25日以降オークションインサイト機能が利用可能になります。
オークションインサイトは、表示URLのドメイン単位で自社と他社の掲載結果を比較できる機能です。
新しい広告管理ツールのキャンペーン、広告グループ、キーワードの各一覧画面から利用できます。
※従来の広告管理ツールおよびキャンペーンエディターでは利用できません。
表示されるデータは以下になります。
- インプレッションシェア
- ページ上部表示率
- ページ最上部表示率
- 自社との重複表示率
- 他社の上位表示率
- 自社の優位表示率
「自動入札のスポット調整の提供」
参照元:https://www.lycbiz.com/jp/news/yahoo-ads/20230802/?service=yahoo-ads&page=2
自動入札のスポット調整機能では、自動入札のコンバージョン率を1週間前後の短期間で調整することができます。
自動入札では、過去1カ月ほどの間に発生したコンバージョン率を加味して入札価格を設定します。
このため、コンバージョン率が短期間で大きく変わるセールや販促キャンペーンでは、自動入札の効果が減少する場合がありました。
スポット調整では、コンバージョン率の変動が見込まれる期間と、コンバージョン率の変動をキャンペーンに設定することで、こうした短期間の変動にも対応可能になります。
「キャンペーン間の共有予算機能の提供」
参照元:https://www.lycbiz.com/jp/news/yahoo-ads/20230914/
1日の予算を共有できる機能が追加されました。
共有予算では、1つの予算を複数のキャンペーンを横断し予算を共有することが可能です。
そのため効率的な予算管理をすることができます。
「検索連動型ショッピング広告の提供開始 」
参照元:https://www.lycbiz.com/jp/news/yahoo-ads/20231204/
Yahoo!検索で商品情報などを検索した際に表示される「コマース検索」モジュールに、新たに商品情報を掲載できるサービスを開始しました。
「検索連動型ショッピング広告(SSA)」はスマートフォンでのコマース検索モジュールの最上部に表示されます。
掲載する際は、SSAアカウントの開設と、キャンペーンなどの作成や入札価格の設定が必要です。
【ディスプレイ広告】
「LINEとの取り組みによる配信先拡大」
参照元:https://www.lycbiz.com/jp/news/yahoo-ads/20230614-01/?service=yahoo-ads&page=8
ヤフーとLINEの取り組みの一環として、ディスプレイ広告(運用型)に以下のデップデートが実施されます。
・LINEアプリにおける配信先の拡大
・LINEファミリーアプリ/LINE広告ネットワークを配信先として追加
これにより、LINEアプリのホーム面やLINEニュース面などに配信が可能になります。
「拡張クリック単価が正式リリース」
参照元:https://www.lycbiz.com/jp/news/yahoo-ads/20230727-01/?page=4
ベータ版として提供されていた入札戦略「拡張クリック単価」が正式にリリースされました。
拡張クリック単価とは、手動で設定した入札価格を基に、クリックまたはコンバージョンをできるだけ多く獲得できるように入札単価を自動で調整する入札戦略のことです。
個別クリック単価(旧:手動入札)と比較して、自動で細かく入札価格が調整できるため、広告効果の改善や運用工数の削減が期待できます。
ただし、設定した入札価格よりクリック単価が上回る可能性があるため注意が必要です。
「コンバージョンのインポート機能の提供」
参照元:https://www.lycbiz.com/jp/news/yahoo-ads/20230804/?page=3
ウェブサイト外で発生したコンバージョンのデータをインポートする機能が、2023年8月3日(木)に広告管理ツールにて提供されました。
コンバージョンのインポート機能はYahoo!広告ディスプレイ広告コンバージョン計測APIでのみ提供されていた機能でしたが、今後は広告管理ツール上からも利用可能になります。
実店舗での購入など、オフラインで発生したコンバージョンを取り込むことで、広告配信の最適化や広告運用の効率化が見込めます。
■Google広告
【リスティング広告】
「広告のアトリビューションモデルにおける「ファースト クリック」、「線形」、「減衰」、「接点ベース」が廃止」
参照元:https://support.google.com/google-ads/answer/13427716
現在Google広告で自動入札に使われるコンバージョンには、データドリブン アトリビューション モデルが最も多く使用されており、今回廃止となる「ファースト クリック」、「線形」、「減衰」、「接点ベース」の使用率は3%を下回っています。
そのため、使用率の低い4種類のサポートが終了となります。
「レスポンシブ検索広告で生成AIを使った自動作成アセット機能を発表」
参照元:https://support.google.com/google-ads/answer/14079753
既存のランディングページや広告などからAIが学習し、カスタマイズされた広告見出しと説明文を自動作成します。
この機能を有効にすると、レスポンシブ検索広告の[広告の有効性]が改善し、提供済みの広告アセットと一緒に新しく追加されます。
また、配信を止めたい自動広告アセットは広告から削除できます。
今回の発表で日本語を含む7つの言語で利用可能となっています。
【ディスプレイ広告】
「類似オーディエンス機能(類似セグメント)がサポート終了」
参照元:https://support.google.com/google-ads/answer/12463119?hl=ja
Google広告のすべての広告グループとキャンペーンから類似セグメントが完全に削除されます。
ただし、過去のキャンペーンの類似セグメントは、引き続きレポートにアクセスすれば確認することができます。
「AIを活用した画像編集機能の追加」
参照元:https://blog.google/products/ads-commerce/get-creative-with-generative-ai-in-performance-max/
Google広告の全てのアカウントでAIを使った画像編集機能が追加されます。
生成したアセットと既存のアセットの両方を強化することが可能に。これにより、新しいバリエーションを大規模にテストできるようになりました。
■Microsoft広告
【リスティング広告】
「Microsoft Store広告など新機能を更新」
Microsoft Store広告は、Microsoftストア内で検索する顧客にリーチします。
Microsoft Store広告を利用すると以下のようなメリットがあります。
・製品の可視性とダウンロード数を増加させることで、検出しやすくなる
・Microsoft Advertising を使用すると、シンプルかつ簡単な方法でキャンペーンを管理できる
・パフォーマンス レポートを確認し、キャンペーンを最適化して顧客エンゲージメントを高める
「自動入札戦略のデータ除外が利用可能に」
すべての自動入札戦術でデータ除外が設定可能になりました。
これは、ウェブサイトでデータ障害が発生した場合や、意図しないコンバージョントラッキングの変更があった場合に、Microsoft Advertisingの自動入札アルゴリズムに情報を提供するために役立ちます。
「「UETインサイト」機能を追加」
既存のUETタグでインサイトを発見できる「UETインサイト」機能を発表しました。
以下のような情報を見れるようになります。
- Webサイトへの合計訪問者数とページごとの訪問者数
- 国とデバイスごとのセッションの内訳
- クイックバック(Webサイトに数秒滞在したユーザー)
- Webサイトでの滞在時間
「Pinterest広告のキャンペーンをインポート可能に」
Pinterest広告で既に入稿されたデータをMicrosoft広告でインポートして使用することができるようになりました。
「レスポンシブ検索広告で自動生成アセットをリリース」
レスポンシブ検索広告の自動生成アセット機能では、ランディングページ(最終ページURL)から取得した情報を基に広告アセット(見出しと説明文)が自動的に生成されます。
キャンペーン設定で自動生成アセットを有効にすると、設定した広告アセットに加え自動生成されたアセットも配信されるようになります。
「マルチメディア広告でレスポンシブ検索広告の広告アセットを活用可能に」
レスポンシブ検索広告の広告アセットを基に、マルチメディア広告を作成できるようになりました。
マルチメディア広告は、ブランドや製品を大きな画像と共に伝えることのできる広告形式です。
なお、レスポンシブ検索広告の広告アセットを活用する場合、追加で広告用の画像とロゴ画像が必要になります。
「自動入札に「コンバージョンの最大化」と「目標CPA」が追加される」
コンバージョンを目的とした以下2つの自動入札がリリースされました。
- コンバージョンの最大化:予算内で可能な限り多くのコンバージョンを獲得できるよう、自動的に入札を設定します。
- 目標CPA:予算と目標とする30日間の平均CPAを設定すると、この平均CPAになるように自動的に入札を設定します。
■2023年のまとめ
Yahoo!広告はYahoo!とLINEが合併したのに伴い、LINE広告との連携を強めるアップデートが多くありました。
Google広告とMicrosoft広告は、両社ともにAIを活用したアップデートが目立ちました。広告を最適化するためのデータ活用や、自動的なアセット生成など、AIを使ったアップデートは今後も起こると予想されます。
IT全体としても動きの多かった1年でしたが、今後もBtoBデジタルマーケティングトレンドでは、最新のノウハウをわかりやすく発信してまいります。