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CAC(顧客獲得コスト)を下げる! BtoB企業のためのリード戦略

CAC(顧客獲得コスト)を下げる! BtoB企業のためのリード戦略

BtoBマーケティングを成功させるためには、「リード生成(リードジェネレーション)」と「CAC(顧客獲得コスト)」を正しく理解し、効率的に管理することが欠かせません。本記事では、これら2つの要素の基本から、実際の施策との関係、改善のポイントまでをわかりやすく解説します。

CAC(顧客獲得コスト)とは?

CAC(顧客獲得コスト:Customer Acquisition Cost)とは、1人(1社)の新規顧客を獲得するためにかかったマーケティングおよび営業活動の総コストを示す指標です。限られた予算の中で効率的なマーケティングを行い、利益を最大化するには、CACの把握と改善が不可欠です。

CACの計算方法

CACは以下の計算式で求められます。

CAC = 顧客獲得のための総コスト ÷ 獲得できた顧客数

〈CAC算出事例〉
展示会に出展して100万円のコスト(出展料・人件費・資料制作費など)をかけ、50件のリードを獲得。そのうち5件が成約に至った場合

  • 1リードあたりのコスト:100万円 ÷ 50件 = 2万円
  • 1顧客あたりのCAC:100万円 ÷ 5社 = 20万円

このようにCACを算出することで、施策ごとの費用対効果を把握し、どの取り組みが成果に結びついているかを客観的に評価できます。

リード生成とCACの関係

リード生成(リードジェネレーション)は、新規顧客を獲得するための起点となる重要な活動です。一方で、その活動にどれだけのコストがかかっているかを示すのがCAC(顧客獲得コスト)です。効果的なマーケティングを実現するためには、「どのような手法でリードを獲得し、どれだけ効率よく顧客化できているか」を常に見直す必要があります。ここでは、リード生成とCACがどのように結びついているのか、そして両者のバランスを取るための視点を解説します。

リードジェネレーションはCACに直結する

リードジェネレーション(見込み顧客の獲得活動)は、CAC(顧客獲得コスト)を左右する重要な要素です。獲得したリードが自社のターゲットと適合していなければ、その後の商談化や成約につながりにくく、結果として1件あたりの獲得コストが高騰することになります。

〈事例〉広告配信や展示会でリードを多数獲得した場合

  • リードの質が低い場合
    購買意欲が低い/自社のサービスとニーズが合っていない
    → 営業リソースが浪費され、商談化せずにCACが上昇
  • リードの質が高い場合
    購買意欲が高い/自社のサービスにマッチ
    → 商談化率が向上し、効率的にCACを抑えられる

CACを最適化するためには、単に「リードの数」を追うのではなく、「質の高いリード」をいかに獲得するかが鍵になります。そのためには、ターゲット顧客像の明確化やチャネル選定の見直し、効果測定を含めた改善のサイクルを継続的に行う必要があります。

このように、リードの「量」と「質」のバランスが、CACを大きく左右します。

リード生成と顧客獲得コスト(CAC)

CACを抑えるためのリードジェネレーション改善ポイント

CAC(顧客獲得コスト)を抑えながら成果の出るマーケティングを実現するには、「リード数」ではなく「リードの質」に注目し、効率的に見込み顧客を獲得・育成することが重要です。以下では、CACの最適化につながる3つの改善ポイントをご紹介します。

ターゲット顧客の明確化

CACを抑えるための第一歩は、「誰にアプローチすべきか」を明確にすることです。ターゲットが曖昧なままでは、商談や受注につながらず、営業リソースが浪費され、CACが上昇します。

以下のような基準で、あらかじめ目標リードの条件を設定しておくと効果的です。

  • 業種・業界
  • 企業規模(従業員数・売上高など)
  • 担当者の職種・役職(例:部門責任者や決裁者)
  • 想定される導入スピードや予算感
  • 抱えている課題の傾向

ターゲット顧客の特性を具体的に定めることで、リードの質を高め、効果的なアプローチが可能になります。さらに、そうして明確化された顧客に対して、最適な情報や提案を「届け方」まで含めて設計することが重要です。

そこで有効なのが「パーソナライズ」です。顧客の業種や役職、関心フェーズに応じて内容やタイミングを最適化することで、メール開封率や資料ダウンロード率といった具体的な成果にもつながります。

パーソナライズ施策の考え方と実践方法については、こちらの記事もご覧ください

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パーソナライズとは

さらに、リード獲得後のフォローアップ体制も重要です。獲得したリードが適切にナーチャリングされなければ、せっかくの見込み顧客も離れてしまいます。

段階に応じたリードナーチャリング

獲得したリード(見込み顧客)は、その関心度や検討状況に応じて適切に育成(ナーチャリング)することで、商談化率や成約率の向上につながります。BtoBでは検討期間が長いため、継続的な情報提供と信頼構築が不可欠です。

▼ 初期段階(情報収集中)

  • トレンド解説や導入事例、ホワイトペーパーの提供
  • メルマガによる定期的な情報配信
    関心の喚起認知拡大

▼ 中間段階(比較検討中)

  • 課題解決に直結するウェビナーの案内
  • 活用メリットを示す具体的資料の提供
  • 営業部門との連携により、個別の課題やニーズをヒアリング
    理解の促進信頼関係の構築

▼ 決定段階(導入直前)

  • ROI(投資対効果)や価格構成などの情報提供
  • 導入を後押しする営業との個別対応
    意思決定の後押し成約率向上

なお、一度は失注したリードであっても、ナーチャリングを継続することで再び商談化する可能性があります。メルマガやウェビナーなどの定期的な接点維持は、再興味喚起にも効果的です。

CRMツールの活用による効率化

CAC(顧客獲得コスト)を抑えるには、限られた営業・マーケティングリソースを効果的に活用することが重要です。そのために有効なのが、CRM(顧客関係管理)ツールの活用です。リード情報を一元管理し、適切なタイミングで最適なアプローチを行うことで、ナーチャリングの質とターゲティング精度の両面を高めることができます。

CRMを活用することで、以下のようなメリットが得られます。

  • 属性・行動データの蓄積と可視化
    企業規模、業種、担当者の役職などの「属性情報」だけでなく、Webサイトの閲覧履歴、メールの開封履歴、資料ダウンロードといった「行動データ」を時系列で蓄積・管理することで、リードの関心度や検討状況(温度感)を可視化できます。
  • スコアリングによる優先順位づけ
    蓄積したデータをもとに、特定の行動(例:価格ページの閲覧、資料請求)にスコアを付与することで、購買意欲の高いリードを自動的に抽出。営業リソースを優先的に投下すべき対象を明確にできます。
  • ステータス管理によるアクション設計
    「ナーチャリング中」「商談中」「失注」など、各リードのステータスを管理・分類することで、次にとるべき施策やアクションが明確になります。放置や重複対応といった非効率も防げます。

さらに、CRMとMA(マーケティングオートメーション)ツールを連携させることで、以下のようなマーケティング自動化も実現可能です。

  • スコアに応じたフォローメールの自動配信
  • 営業担当へのアラート通知
  • 一定期間反応のないリードへの再アプローチトリガー設定

このようなデータドリブンなアプローチにより、無駄なアプローチや見込みの低いリードへの過剰対応を削減し、限られた予算とリソースの中で、CACの最適化を実現できます。

データドリブンなアプローチ

CRMツールの継続的な活用と改善を通じて、マーケティング部門と営業部門の連携強化にもつながり、組織全体の生産性向上にも寄与するでしょう。

まとめ:CAC視点でマーケティング全体を最適化する

BtoBマーケティングの成果を高めるには、単発の施策ではなく、戦略全体を俯瞰して捉える視点が欠かせません。特に、顧客を「どれだけ効率よく」獲得できているかを示すCAC(顧客獲得コスト)は、マーケティング活動全体の健全性を測る重要な指標です。

  • CACを定期的に把握し、施策ごとの費用対効果を評価する
  • ターゲット顧客やセグメントを明確にし、ニーズに応じた戦略を構築する
  • CRMやMAツールを活用して、リード管理・ナーチャリング・営業連携を効率化する

こうした戦略設計・実行・改善のサイクルを「CAC」の視点で回していくことで、リードの質と商談化率を高め、無駄なコストを削減できます。結果として、マーケティングの役割がより明確になり、持続的なビジネス成長へとつながります。


 

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