はじめに|「忙しすぎてマーケティングまで手が回らない」── 1人マーケターの限界
「Webを強化しろ」「リードを取れ」と言われても、時間も人手も足りない──。
このようなプレッシャーを感じていませんか?
BtoB業界では、マーケティングを1人で担当している方や、営業とマーケティングを兼任している方が少なくありません。実際に、「何から手をつければいいのかわからない」「成果を出したいけど動けない」という声もよく聞かれます。
そこで今回の記事では、そんな「1人マーケター」の方に向けて、どのように目的を達成し、業務効率を上げられるかについてご紹介いたします。
限られたリソースで成果を出すための3つの視点
SEO対策、集客経路の分析、WEBサイトのページ制作、WEB広告運用、ブログやSNSの投稿、メール配信、これらはすべて“WEBマーケティング”でくくられがちですが、それぞれに専門の会社が存在するほどそれぞれ異なるスキル、知識やノウハウが必要です。これらを一人で行うことはかなり難しいと言えます。
実際には担当にはなったが、「月1回GA4でのWebサイトアクセス数を見て終わってしまった、本当にこれで良いのか」と焦りを感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな状況に置かれた営業兼マーケターが、限られたリソースで成果を出すためには、すべてを自分でやろうとしない“引き算”の発想が欠かせません。
ここでは、少ない工数で着実に成果を上げるための3つの視点を紹介します。
1. 社内理解を得るための可視化術
兼務体制の根本的な課題は、社内でマーケティングが「売上に貢献している」と認識されにくいことにあります。価値が見えなければ、予算も権限も得ることができません。この状況を打開するためには、マーケティングの効果を可視化する仕組みが必要です。指標(KPI)を定めて、変化を継続的に追いかけることで、少しずつ社内理解を得ることができます。
■短期間での成果(クイックウィン)を意図的に設計し、信頼とリソース確保につなげる
- 例:指名検索数の増加、セミナーでの新規リード獲得、ホワイトペーパー経由の問い合わせ獲得
- 数値で語る(施策ごとのリード数、商談化率、受注単価など)
- データをもとに「マーケティング=売上に貢献するもの」という認識を社内で証明する
こうした成果をエビデンスとして示すことで、営業や経営層からの理解を得やすくなり、マーケティングが「予算をかけるべき重要な業務」として認識されるようになります。その結果、兼任体制を見直すための第一歩につながるでしょう。
2. やるべき施策の見極めと“やらないこと”の決定
BtoBマーケティングにおいて重要なのは、「全部やる」ではなく「目的に合ったことをやる」ことです。最初に取り組むべきは、今実施している施策の棚卸しと優先順位の見直しです。
■目的・KPIで仕事を絞り込む
「本当に今やるべきことか?」を見極めるには、目的に関係のない施策に“やらない”判断を下すことが重要です。目的が定まれば、自ずとKPIも明確になります。
- 「目的とKPI(重要業績評価指標)が明確でない施策」は、思い切ってやめる
- 「今月・今四半期・今年」など、時間軸で優先順位を設定
- 成果が見えない、費用対効果が悪い施策は中止または延期
【目的別マーケティング施策例】
目的 | KPI(重要業績評価指標) | マーケティング施策 |
お問い合わせを増やす | お問い合わせ数 前年度+10件 | リスティング広告、SEO対策 など |
ブランドイメージのアップ | 月間Webサイト訪問リピートユーザー数 1,000人 | ディスプレイ広告、SNS、ブログ など |
リクルート応募を増やす | Web経由で応募人数を10人獲得する | SNS、SNS広告 など |
「○○に頼まれたからやっている」という動機は、目的が不明確で成果にも直結しにくいため、最も注意が必要です。
施策を判断する際の軸としては、以下のような視点が有効です。
- 工数と効果のバランス
- 見込み顧客との距離(今すぐ商談につながる可能性の高い施策か)
- 費用対効果
こうした視点で見直すことで、少ないリソースでも成果につながる施策に集中できます。
3. 外注・ツールを活用し、“自分でやらない”選択肢を取る
「すべて自分でやる」は非現実的です。戦略設計から広告運用、コンテンツ制作までを一人でこなすのは、どう考えても無理があります。
「この作業に週○時間かかっている」と可視化しておくことで、「外注した方が効率的かもしれない」と上司や他部署の理解を得やすくなります。
■外注すべきタイミングの見極め
- 「誰かに任せる」ことは、戦略的なリソース配分
- 外注やツールを活用することで、本来注力すべき業務に集中できる
- 自分は「判断・戦略・営業フォロー」に集中できるように
【外注の選択肢例】
- リスティング広告の運用代行による手間と専門知識の外部化
- ホワイトペーパーやブログなどのコンテンツ制作支援
- MA(マーケティングオートメーション)やCRM導入の設計・運用支援
【ツール活用の例】
- GA4 × Looker Studio:アクセス解析データを自動で可視化。定例レポート作成の工数を削減し、社内共有を効率化
- 簡易MAツールの導入(例:SATORI、BowNowなど):メール配信やスコアリングを省力化し、リード育成を自動化
- Slack連携によるフォーム通知の自動化:問い合わせがあれば即時通知。対応のスピードと営業連携を向上
「全部やらなきゃ」という思い込みを捨て、「成果を出すために、誰に・何を任せるか」を考えることが、長期的に見ると最も効率的です。
まとめ|営業とマーケ、どちらも成果を出すために──「全部自分でやる」から抜け出そう
営業とマーケティングは、それぞれ異なる目的とプロセスを持つ専門領域です。短期視点で動く営業と、中長期で成果を生むマーケティングでは、求められる役割やスキルも大きく異なります。それにもかかわらず、限られたリソースの中で両方を1人で担う体制こそが、現場を疲弊させる大きな要因となっています。
体制が整っていない状況で、すべてを抱えるのは現実的ではありません。だからこそ、「全部自分でやる」スタンスから脱却し、“やらないこと”を明確にし、“人に任せること”を戦略の一部と捉える視点が重要です。そうすることで、自分の時間や思考を「判断」「営業活動」「社内調整」といった、本来注力すべき領域に集中させることができるようになります。
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