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【Google広告】拡張コンバージョンとは? 仕組みやメリット・デメリットを解説

Google広告 拡張コンバージョンとは?

Google広告の拡張コンバージョンは、広告主がコンバージョンデータの精度を高めるための機能です。
プライバシー保護の強化に適応する手段としても重要な役割を果たします。

今回はGoogle広告の拡張コンバージョンが導入された背景や仕組み、メリットなどを解説します。

■「拡張コンバージョン」とは?

Google広告の拡張コンバージョンとは、ユーザーのプライバシーを保護しながら、広告主が正確なコンバージョンデータを収集し、広告キャンペーンの効果を追跡・最適化するための機能です。

・拡張コンバージョンの仕組み

拡張コンバージョンでは、広告主が自社のWebサイトやアプリから収集したユーザーデータ(メールアドレス、電話番号など)が、個人を特定できないようにハッシュ化されて、Googleのサーバーに送信され、Googleアカウントのデータと照合します。
照合したデータが一致すると、Google広告アカウントにコンバージョンとして計測されます。
1st party data(ファーストパーティデータ)の活用とデータのハッシュ化により、ユーザーのプライバシーを保護した上で、正確なコンバージョンデータを計測することが可能になります

拡張コンバージョンとは

・拡張コンバージョンが導入された背景

従来のコンバージョン計測

従来のコンバージョン計測やリターゲティング広告では、Cookie(クッキー)という技術の中でも3rd party cookie(サードパーティクッキー)を利用していました。

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Cookieのメリット・デメリット

しかし、3rd party cookieの利用は広告を配信する企業側にとってはメリットとなり得る一方で、データ収集に関して、ユーザーのプライバシーを脅かす倫理的な問題があると懸念されています。

プライバシー保護の規制強化

近年、EUではGDPR(General Data Protection Regulation:EU一般データ保護規則)や米国ではCCPA(California Consumer Privacy Act:カリフォルニア州 消費者プライバシー法)など、ユーザーのプライバシー保護に関する規制が強化されました。これにより、ブラウザの設定などで3rd party cookieの使用が制限されるようになり、従来のトラッキング手法では正確なデータを得ることが難しくなりました

Safari(Apple)2020年3月からトラッキング防止機能「ITP(Intelligent Tracking Prevention)」によって、3rd party cookieをデフォルトで完全にブロック
Chrome(Google)2024年中に3rd party cookieのサポートを完全に終了予定

※トラッキングとは、ユーザーが訪問したWebサイト内の閲覧ページや、クリックしたリンクなどを追跡・記録するために使用される技術です。

■「拡張コンバージョン」のメリット

・コンバージョンデータの精度向上

拡張コンバージョンは、Cookieの制限が厳しくなる中、3rd party cookieに依存せず、1st party data(ユーザーのメールアドレス、電話番号、住所など)を使用し、Googleのデータベースと照合することで、より正確なコンバージョンデータを取得できます

・プライバシー保護の強化

拡張コンバージョンでは、ユーザーデータはハッシュ化されて送信されるため、ユーザーのプライバシーを保護しながら、個人を特定できない形でデータが処理されます。広告主はプライバシー保護の規制を遵守しながら、データを収集することができます。

・機械学習モデルの精度向上

拡張コンバージョンによって提供される高品質なデータをもとに、Google広告の機械学習モデルが学習することで精度が向上し、広告キャンペーンの効果が最適化され、広告配信の効率が上がります。

■「拡張コンバージョン」のデメリット

・設定に手間がかかる

拡張コンバージョンを使用するには、Googleタグや Googleタグ マネージャーの設定が必要です。そのため、工数や時間がかかり、コンバージョン トラッキングなどの技術的な知識も求められます。

・Googleアカウントログインが前提

拡張コンバージョンはユーザーのGoogleアカウントと照合することで機能するため、ユーザーが広告をクリックした時にGoogleアカウントにログインしていないと、何の広告をクリックしたかがわかりません。

■「拡張コンバージョン」の設定方法

拡張コンバージョンの設定は、コンバージョン トラッキングを行なっている方法で変わります。

  • Google タグ
    現在 Google タグを(サードパーティ製ツールまたは iFrame 内にではなく)ページに直接実装してコンバージョン トラッキングをおこなっている場合。
  • Google タグ マネージャー(GTM)
    現在 Google タグ マネージャーを使用してコンバージョン トラッキングをおこなっている場合。
    参照元:https://support.google.com/google-ads/answer/9888656

・事前準備〜Google広告での設定

いずれの場合も、Google広告の管理画面で、拡張コンバージョンが使用できるように準備が必要です。

・Google広告の管理画面「コンバージョン」の「測定」から[拡張コンバージョン]を選択

拡張コンバージョン設定

・「拡張コンバージョンをオンにします」にチェック

拡張コンバージョン設定

・[Google タグ]、[Google タグマネージャー]、[Google Ads API]のいずれかを選択

拡張コンバージョン設定 拡張コンバージョン設定

・Googleタグを使用する場合

・Google広告の管理画面「コンバージョン」の「概要」から、拡張コンバージョンを適用する[コンバージョン アクション]を選択

・[このコンバージョンアクションに拡張コンバージョンを使用します]にチェック

詳しくはGoogle公式のヘルプページを参照してください。
Google 広告ヘルプ – Google タグを使って拡張コンバージョン(ウェブ向け)を手動で設定する

・Googleタグマネージャー(GTM)を使用する場合

Google タグマネージャーで拡張コンバージョンを設定する方法は「自動収集」、「コード」、「手動設定」の3種類です。ここでは、「自動収集」による設定方法を紹介します。

・Googleタグマネージャーの「タグ」から、拡張コンバージョンを適用する[コンバージョントラッキングタグ]を選択し、編集画面を開く

・[自社のウェブサイトでユーザーから提供されたデータを含める]をチェックし、
プルダウンで[新しい変数]を選択

・[Automatic collection]をチェックし、保存

・[コンバージョントラッキングタグ]の設定を保存

詳しくはGoogle公式のヘルプページを参照してください。
Google 広告ヘルプ – Google タグ マネージャーを使って拡張コンバージョン(ウェブ向け)を設定する

■まとめ

今回はGoogle広告の拡張コンバージョンの仕組み、メリット・デメリットなどを紹介しました。
3rd party cookieは事実上廃止に向かっており、プライバシー保護の規制強化や正確なコンバージョン計測のニーズに応えるために、1st party dataを正しく活用することで、Google広告の拡張コンバージョンの重要性は増すと考えられます。

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