「サイトリニューアルをするとSEO検索順位が下がるのではないか」
「今はまだ検討のタイミングではないのではないか」
BtoB企業では、このような不安からサイト改善が後回しになるケースが少なくありません。しかし本質的な問いは、“検索順位が下がるかどうか”ではなく、“今のWebサイトは成果につながっているか”です。
本記事では、サイトリニューアルがSEOに与える影響を整理しながら、
「どのタイミングで検討すべきか」
「どんな効果が期待できるのか」
「何をするべきなのか」
「目的やコンセプトはどう設計するべきか」を、
初心者にもわかりやすく解説します。
サイトリニューアルはSEOにどんな影響を与えるのか?
サイトリニューアルはSEOにとって「プラスにもマイナスにも働く」施策です。まずは、その仕組みを理解することが重要です。
検索順位が上がるケース
サイトリニューアルによってSEO評価が向上する主な理由は次の通りです。
- サイト構造の改善による内部評価の最適化
- 検索意図に合わせたコンテンツ再設計
- 表示速度やモバイル対応の改善
- 重複ページの統合による評価集中
とくに古いCMSを使い続けている場合や、ページが増えすぎて整理されていない場合は、構造改善だけでも大きな効果が出ることがあります。
検索順位が下がるケース
一方で、次のような要因があると検索順位が下がることがあります。
- URL変更時のリダイレクト設定ミス
- 評価の高いページの削除
- タイトルや見出し構造の改変
- 内部リンクの断絶
- noindexタグやrobots.txtの残存
つまり、SEOの問題というより設計・実装の問題であることが多いのです。
BtoB企業におけるSEOの本当の目的
SEOはアクセス数を増やすための施策ではありません。BtoB企業にとって、SEOは「商談数を増やすための基盤整備」です。
順位が上がっても成果が出ない理由
多くの企業が陥るのが、「検索順位(上位表示)=成果」と考えてしまうことです。
例えば、
- 検索キーワードがずれている
- 検索ボリュームはあるがターゲット外のキーワード
- 情報収集層ばかり集まるコンテンツ
- 問い合わせ導線が設計不足で弱い
- 問い合わせ後の営業側の受け皿が整っていない
こうした状態では、検索順位が上がっても商談にはつながりません。
サイトリニューアルの目的を再定義する
サイトリニューアルを検討する際に最も重要なのは、目的の明確化です。
- 「リード数を増やしたいのか」
- 「商談化率を改善したいのか」
- 「採用強化なのか」
- 「ブランド確立なのか」
目的が曖昧なままでは、コンセプトも設計もぶれてしまいます。「何をするべきか」が見えない場合は、まず現状の課題整理から始めることが必要です。
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サイトリニューアルの効果とは何か
効果は「SEO検索順位」ではなく「成果指標」で測るべきです。
〈期待できる効果〉
- ターゲット流入の増加
- 問い合わせ率の向上
- 商談化率の改善
- 営業資料ダウンロード増加
- ブランド信頼性向上
BtoBでは特に「有効リード率」が重要な指標となります。
※有効リード率:リードから商談・受注へつながる質の高い見込み顧客の割合。
サイトリニューアルのKPIをどう設計するか
サイトリニューアルの評価軸を誤ると、検索順位は上がっても成果は伸びません。重要なのは「何を最終目標に置くか」です。→ KGI(最終目標)の設定
※KPI(重要業績評価指標):最終的なビジネス目標(KGI)達成に向けたプロセスが順調に進んでいるかを測るための“中間的な数値目標”。
※KGI(重要目標達成指標):組織が事業として最終的に達成したい成果(最終目標)。通常1つの指標を定量的に(数値化して)設定する。
SEO検索順位は“中間指標”にすぎない
「サイトリニューアル=検索順位を上げること」と考えてしまうと、本来の目的を見失います。順位はあくまで“途中経過”です。本当に見るべきなのは、その先にある成果です。
BtoB企業の場合、最終目標(KGI)は明確です。
成果:「売上」「利益」「受注数」「有効商談数」など |
サイトリニューアルは、それらを増やすための手段であり、目的ではありません。

〈KPI設定の流れ〉
本来設定すべきKPIの考え方
サイトリニューアルを検討する際は、「検索順位」ではなく、次のような指標で設計することが重要です。
| 先行指標(改善判断用) | 主要KPI(成果に直結) | 最終目標:KGI(ゴール) |
| ・オーガニック検索流入数 ・指名検索数 ・特定キーワードの流入比率 ・回遊率・直帰率 | ・コンバージョン率(CVR) ・有効リード率 ・商談化率 | ・SEO経由の受注数 ・SEO経由の商談数 ・SEO経由の問い合わせ数 |
検索順位はこの「先行指標」の一部にすぎません。
検索順位よりも見るべき指標
順位変動の裏側で、成果指標がどう動いているのかを冷静に確認することが、正しい改善判断につながります。
なぜ「検索順位」以外の指標も重要なのか
例えば、
- 検索順位は上がったが、問い合わせは増えていない
- 流入は増えたが、商談化率が下がった
このようなケースでは、検索順位ではなく、検索意図とコンテンツ設計のズレが問題となり、見直しが必要です。
逆に、「検索順位は大きく変わらないが、SEO経由の商談数が増えている」のであれば、それは成功と言えます。
BtoBサイトにおけるSEOの目的は「アクセスを増やすこと」ではなく、「受注につながる見込み客を増やすこと」です。リニューアル後は、順位の一喜一憂ではなく、成果への影響を冷静に評価する視点が求められます。
「集客」ではなく「受注までの導線」を設計する
BtoBでは、Web検索から受注までのプロセスが長いのが特徴です。
Web検索 → 記事・サービスページ閲覧 → 資料請求・問い合わせ → 商談 → 受注 |
サイトリニューアルでは、この流れ全体を設計し直す必要があります。検索順位だけを見ていると、この後半部分の改善が抜け落ちてしまいます。
サイトリニューアルの評価軸を再定義する
結論として、サイトリニューアルの着地点は、「SEO検索順位」ではなく、「SEO経由の売上への貢献」です。
この視点を持つことで、
- リニューアルの目的が明確になる
- コンセプト設計がぶれなくなる
- 改善の優先順位が整理される
結果として、単なるサイト改善ではなく、営業戦略と連動した成長施策になります。
SEO視点でリニューアル前にやるべきこと
Webサイトのリニューアルを成功させるには、見た目の刷新にとどまらず、「目的」と「戦略」に基づいて全体を設計することが欠かせません。そのためには、問い合わせや商談など“ビジネス成果”に直結させるためのプロセス設計が重要です。
リニューアル目的の明確化
まずは「なぜサイトリニューアルをするのか」を明確にします。
商談創出やブランド刷新、採用強化など、目的によって最適な設計や指標が異なります。目的を曖昧にしたまま進めると、成果指標が定まらず、リニューアル効果を正しく検証できません。
Webサイトの現状分析
Googleアナリティクス(GA4)によるアクセス解析や営業部門へのヒアリングを通じて、現行サイトの課題を洗い出します。訪問者の離脱率、滞在時間、コンバージョン率といった定量データに加え、「どのページが営業で使いにくいか」など現場の声も重要なヒントになります。
また、SEOの視点で“守るべき資産”も整理しておきます。
- 検索上位表示ページ
- 被リンク獲得ページ
- CVに貢献しているページ
- 指名検索キーワード
これらを把握せずに設計すると、評価を失うリスクがあります。
リニューアルのコンセプト設計
ターゲット像・主要メッセージ・コンテンツ戦略を整理し、「誰に、何を、どのように届けるか」を明確化します。
- 主要ターゲットの明確化
- 検索意図の整理
- 営業導線の再設計
BtoBでは意思決定に複数人が関わるため、役職やフェーズごとに訴求内容を変えることが効果的です。

これらを統合したものが、リニューアルの骨格になります。課題の規模に応じて、「維持」「改善(部分改修)」「再設計」「全面リニューアル」かを段階的に判断します。
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リニューアル時に外せないSEOの基本対策
サイトリニューアルでは、デザインやコンテンツ設計に目が向きがちですが、SEO視点のテクニカル対策は“守り”の要です。ここを軽視すると、それまで積み上げてきた評価を失う可能性があります。派手さはありませんが、確実に押さえるべき基本項目を整理します。
- URL変更時の301リダイレクト設定
- タイトル・メタ情報の引き継ぎ/最適化
- 内部リンク構造の維持/再設計
- XMLサイトマップ送信
- モバイル対応・表示速度改善
- Search Consoleでの検証
URL変更時の301リダイレクト設定
リニューアルでURL構造が変わる場合、必ず行うべきなのが301リダイレクトの設定です。301リダイレクトとは、旧URLから新URLへ評価を引き継ぐための恒久的転送設定です。これが適切に行われていないと、検索エンジンは新しいページを“別のページ”と認識し、これまで蓄積してきた評価が失われる可能性があります。
タイトル・メタ情報の引き継ぎ/最適化
ページタイトルやmeta description(メタディスクリプション)は、検索結果に直接表示される重要要素です。リニューアル時にコピー変更に伴いタイトルを大きく変更すると、順位やクリック率に影響する場合があります。「全面的に書き換える」のではなく、「データを見ながら改善する」姿勢が重要です。
内部リンク構造の維持/再設計
内部リンクは、検索エンジンにサイト構造を伝える重要な要素です。リニューアルによってカテゴリ構造やナビゲーションが変わると、評価の流れが変化します。特定ページへのリンクが減ることで、順位が下がるケースもあります。
XMLサイトマップ送信
リニューアル後は、検索エンジンに新しい構造を正しく伝える必要があります。そのために重要なのがXMLサイトマップです。XMLサイトマップを更新し、Search Consoleに送信することで、新URLのクロールとインデックスを促進できます。
モバイル対応・表示速度改善
現在はモバイルファーストインデックスが基本です。モバイルでの表示品質は検索評価に直結します。表示速度が遅い場合、離脱率の上昇だけでなくSEO評価にも影響します。画像の最適化や不要スクリプトの削減など、技術面の見直しも欠かせません。
Search Consoleでの検証
リニューアル後は、必ずSearch Consoleで状況を確認します。
チェック項目は、
・カバレッジレポート(インデックス状況)
・エラーページの有無
・検索パフォーマンスの変動
・クロール状況
リニューアルは“公開して終わり”ではありません。公開後の検証と微調整こそが、SEO評価を安定させる鍵になります。これらの対策は、順位を大きく上げるための“攻め”ではありません。しかし、確実に評価を守るための土台です。
BtoBサイトにおいてSEOは中長期的な資産です。サイトリニューアルを成功させるためには、デザインやコンセプト設計だけでなく、こうした基本対策を確実に実行することが欠かせません。
リニューアル後に順位が下がった場合の考え方
サイトリニューアル後に検索順位が下がると、不安になるのは当然です。しかし、慌てて元の状態に戻す判断は危険です。特にBtoBサイトでは、検索エンジンの再評価に時間がかかるケースが少なくありません。重要なのは、感覚ではなくデータで状況を見極めることです。
一時的な変動か恒久的下落か
リニューアル直後は、検索エンジンがサイト構造やコンテンツを再クロール・再評価する期間に入ります。このタイミングで順位が上下するのは珍しいことではありません。
まず判断すべきは、それが「一時的な変動」なのか、「構造的な問題による下落」なのかという点です。
一時的な変動であれば、数週間〜数か月で回復することもあります。一方、リダイレクト設定の不備や重要ページの削除など、明確な設計ミスがある場合は、継続的な下落につながります。
短期的な順位変動だけを見て評価せず、一定期間の推移を見ることが大切です。
確認すべき4つのデータ
順位変動が起きた場合、感覚的な判断ではなく、まずは基本データを確認します。
インデックス状況
新しいページが正しくインデックスされているか、旧URLが削除されすぎていないかを確認します。インデックス数の急減は、構造的な問題のサインです。
クロールエラー
404エラーやリダイレクトエラーが増えていないかをチェックします。内部リンク切れやリダイレクト漏れは、評価低下の原因になります。
検索クエリの変化
流入キーワードの構成が変わっていないかを確認します。順位が下がったように見えても、実はターゲットキーワードへの集中が進んでいるケースもあります。これらを総合的に見ることで、「問題なのか」「過渡期なのか」が判断できます。
CV数と商談数の推移
検索順位や流入数だけで評価してしまうと、本質を見誤る可能性があります。必ず確認すべきなのが、CV(コンバージョン)数と商談数の推移です。
リニューアル後に流入が一時的に減少しても、問い合わせ率が改善していれば、結果としてCV数が維持・増加するケースがあります。さらに重要なのは、その問い合わせが商談につながっているかどうかです。
SEOを強化する“攻めのリニューアル”とは
リスク回避だけでなく、リニューアルは成長機会として捉えることが重要です。
- 顧客の検索意図に合わせたコンテンツ再編・強化
- 技術ブログ・導入事例の拡充
- サイト構造の最適化、LPO(ランディングページ最適化)
- AIO(AI検索最適化)
- 技術ブログ・導入事例の拡充
- 専門性の明示(E-E-A-Tの明確化)
- ロングテール戦略
サイト改善を継続前提で設計することで、SEOは資産化します。
SEO視点でサイトリニューアルを検討すべきタイミング
Webサイトの寿命は「年数」ではなく「成果」で決まります。見た目に問題がなくても、目的を果たせていないなら、それはリニューアルのサインです。
| 成果 | 流入はあるが問い合わせが減少している アクセス数は横ばいなのに問い合わせが減っている場合、導線設計やコンテンツの質に課題がある可能性があります。 商談化率が下がっている 商談化率の変動は、サイト改善のサインです。競争環境や検索トレンド、営業スタイルは常に変化しています。数年前に最適だった設計が、今も最適とは限りません。 |
| 運用 | 技術基盤が古く改善できない CMSが古く、ページ追加や改善が難しい場合、部分的なサイト改善では限界があります。 |
| 内容 | サイトの目的と営業戦略がずれている 営業がオンライン化しているのに、サイトが会社案内中心のままでは機会損失が生まれます。 |
「作り替える時期」ではなく「改善が必要な時期」を見極めることが重要です。
小規模な修正で解決する場合もあります。しかし、構造そのものが課題であれば、部分改善では効果は限定的です。重要なのは、「今は改善フェーズか、再設計フェーズか」を見極めることです。
Webサイトリニューアルの本質は、「営業成果につながるSEO設計」であり、検索順位を上げるための短期的な施策ではありません。そのためには、戦略設計 → 技術設計 → 運用設計が必要です。
もし、
- 検討すべきタイミングか分からない
- 目的やコンセプトが整理できていない
- 何をするべきかが曖昧
と感じた場合は、判断基準を体系的に整理することをおすすめします。
ホワイトペーパー『BtoB向けSEOガイド~自社Webサイトを改善するための第一歩~』では、SEOを理解するために知っておきたい基礎知識と具体的なステップを紹介しています。ぜひダウンロードしてご活用ください。 関連記事 Webマーケティング初心者のためのBtoB向けSEOガイド~自社Webサイトを改善するための第一歩~Webマーケティング初心者を対象としたBtoB向けSEOガイドです。[metaslider id="13905"[…] |
適切なタイミングで検討し、正しいコンセプトのもとで進めれば、サイトリニューアルはBtoB企業にとって強力な成長エンジンになります。まずは現状を客観的に整理することから始めてみてください。
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