2025年7月(一部2025年6月)の間に発表があったWEB広告メディアのアップデート情報をいくつかピックアップしました。
参照元サイトは英語版のみの場合もあります。
Google広告のアップデート情報
P-Maxキャンペーンにブランドガイドラインが標準搭載へ
Google広告において、P-Maxキャンペーンに新たな仕様変更が導入されました。今後はブランドガイドライン機能がデフォルトで有効になり、ビジネス名やロゴの管理方法が変更されます。
特にAPIを使って運用している企業や広告代理店には、コードの更新やアセット管理の見直しが求められるため、以下のポイントを押さえておきましょう。
対象 | すべての新規P-Maxキャンペーン(管理画面およびAPI) |
主な変更点 | ブランドガイドラインの自動適用(v21以降) |
影響 | ビジネス名・ロゴのアセットがキャンペーンレベルで管理されるように |
移行期限 | 自動移行完了予定:2025年10月30日まで |
■ブランドガイドラインとは?
- ビジネス名とロゴをP-Maxキャンペーン内で統一管理できる機能。
- 自動生成される広告フォーマットにおいても、ブランドの表示方法をコントロール可能。
- 設定されていない場合、最も成果が出ているアセットグループの情報が自動採用されます。
■API利用者への変更点と対応
変更前 | ・ビジネス名・ロゴ → 各アセットグループに設定 → AssetGroupAssetで管理 |
変更後 | ・ビジネス名・ロゴ → キャンペーン全体に対して設定 → CampaignAssetで管理(コード修正が必要) |
■今後の対応ステップ(APIユーザー向け)
コード更新 | ・ブランドアセットの管理を CampaignAsset に変更。 |
作成時に制御可能 | ・brand_guidelines_enabled = true で明示的に有効化。 ・無効化したい場合は false に設定(v21以降のみ対応)。 |
既存キャンペーンの移行 | ・EnablePMaxBrandGuidelines を使用して手動で有効化可能。 ・自動移行は2025年10月までに順次完了予定。 |
Google広告のP-Maxキャンペーンでは、ブランド一貫性と品質の担保を目的に、ブランドガイドラインの導入が本格化しています。
自社ブランドを正しく、魅力的に見せるためにも、早期対応を心がけましょう。
Search Console Insightsに新機能「分析情報」レポートがリリース
参照元:Google 検索セントラル ブログ – 新しい Search Console Insights レポートはこちら
Googleは、新しい「Search Console Insights」レポートを正式リリースしました。これまでのベータ版(別画面)から統合され、Google Search Consoleのメイン画面で直接利用できるようになります。
※2025年6月30日から段階的に提供開始
■新しい「分析情報」の主な機能
「分析情報」レポートでは、次のような分析が直感的なUI(ユーザーインターフェース)で実現できます。
- Google検索でのクリック数と表示回数の推移を確認
- 最もクリックされたページの特定
- 上昇/下降傾向のあるページの確認
- 検索流入ワード(クエリ)の可視化
- 「実績」通知機能の継続提供
Search Console Insightsの新バージョン「分析情報」レポートは、従来以上に「わかりやすく、深く分析できる」設計になっています。Google検索上でのパフォーマンスを可視化することで、日々のコンテンツ改善がもっと戦略的になります。
Google アド マネージャーの新機能「Offerwall」を正式リリース
Googleは、広告主がコンテンツを収益化できる新機能「Offerwall(オファーウォール)」をGoogle アド マネージャーで提供開始しました。
■Offerwallとは?
Offerwallは、ユーザーがコンテンツを閲覧する際に複数の選択肢を提示する機能です。例えば以下のようなオプションを選んでもらうことで、サイトへのアクセスが可能になります。
- 短い広告の視聴
- 簡単なアンケートへの回答
- 少額決済
- ニュースレターの登録 など
参照元:Googleアド マネージャー ヘルプ – オファーウォール メッセージについて
広告主のメリット
- 広告収益に依存しない、新たな収益モデルを構築可能
- 頻繁に訪問するユーザーやエンゲージメントが高いユーザーから、さらに収益化が見込める
- 小規模なサイトでも実装しやすく、インフラ不要
ユーザーのメリット
- 「広告を見たくない」「少額なら払ってもいい」など、自分に合った方法でアクセス可能
- コンテンツの価値を自分で選び、納得して利用できる
GoogleのOfferwallは、ユーザー体験を損なわずに収益化の幅を広げられる新しいアプローチです。今後はより多くのメディアやコンテンツ運営者への普及が期待されます。
Yahoo!広告のアップデート情報
【Yahoo!広告】ビジネスIDの統合
参照元:LINEヤフー for business -【Yahoo!広告】ビジネスIDの統合に関するお知らせ
LINEヤフーは、法人向けサービスの利便性向上を目的として、「Yahoo! JAPANビジネスID」と「LINEビジネスID」を統合し、新たに「ビジネスID」へ移行しました。Yahoo!広告では将来的に「Yahoo! JAPANビジネスID」の利用を終了する予定です。
※2025年7月23日実施(水)
■対象ユーザー
Yahoo! JAPANビジネスID または LINEビジネスIDを利用中の法人ユーザー
■対象サービス
Yahoo! JAPANビジネスIDで利用していたサービス(順次統合) ・Yahoo!広告 ・その他の広告・コマース関連サービスも順次対応 |
LINEビジネスIDで利用していたサービス(すべて対象) ・LINE公式アカウント ・LINE広告 ・ビジネスマネージャー ・LINEヤフーマーケティングキャンパス など |
■Yahoo!広告ユーザー向けの変更点
- ログイン方法の変更
・ビジネスIDでのログインがYahoo!広告でも可能になります。
・LINE広告・LINE公式アカウントと共通IDでの管理が可能に。
・Yahoo! JAPANビジネスIDのワンタイムパスコードによるログインは2026年3月頃終了予定です。 - 権限管理の変更
・現在の権限機能/統合後の対応
・ツール管理権限/利用権限/終了(法人管理権限に一本化)
・従業員アカウントの追加/法人管理権限ユーザーのみが可能に - アカウント移管の仕様変更
・2025年8月1日以降、アカウント移管時に移管元の権限変更・解除は自動で行われません。
・意図しないユーザーが操作権限を持つ可能性があるため、事前に権限の確認を推奨。 - アカウント招待の方法変更
・今後は、Yahoo! JAPANビジネスIDではなく、メールアドレス宛に招待する形式に変更。
■ユーザーへの影響と対応
- ビジネスID統合後のログイン方法の変更に備える(現在のログインIDでサービスの利用は継続可能)
- ログイン画面は、LINEヤフー共通デザインに変更
- 権限管理の仕組みやアカウント移管手順の変更を理解統合済IDの運用に切り替える準備(ヘルプ記事・資料を参照)
■今後のスケジュールと対応のポイント
- 2025年7月23日~:ビジネスID統合の開始(ログイン方法・権限管理変更)
- 2025年8月1日~:アカウント移管時の仕様変更
- 2026年3月予定:Yahoo! JAPANビジネスIDのワンタイムパスコードログイン終了
今後、LINEヤフーの法人向けサービスを利用する際は、「ビジネスID」が共通基盤となります。
Yahoo!広告をご利用の方は、2025年6月以降、ID統合の案内が届き次第、早めの対応をおすすめします。
サービスごとの移行スケジュールや詳細は、Yahoo!広告の公式サポートを随時ご確認ください。
【Yahoo!広告】広告サービス品質に関する透明性レポート
参照元:LINEヤフー for business – LINEヤフー、広告等の法人向けサービスに関する透明性レポートを公開
LINEヤフーは、サービス品質の向上に向けた取り組みや広告審査の実績をまとめた「広告等の法人向けサービスに関する透明性レポート」を公開しました。
2024年度のYahoo!広告では、約1億9,000万件の広告素材が非承認となりました。
前年(2023年度)と比べて非承認数が増加した主な要因は、検索広告における「ユーザーの意に反する広告の禁止」という掲載基準によるものです。
特に多かったケースとして、リンク先URLの誤入力による非承認が目立ったと報告されています。
Yahoo!広告では、不適切な広告の掲載を防ぐために、2段階の審査を行っています。
・広告掲載の申し込み時には、「広告アカウント」単位での審査
・広告の入稿時には、「広告素材」単位での審査
これらの審査では、虚偽や誇大な内容、詐欺的な広告など法令に違反するものはもちろん、ユーザーに不快感や不安感を与えるような広告も、掲載が制限されます。
その他、詳細については以下より確認できます。
参照元:LINEヤフー for business – 広告サービス品質に関する透明性レポート
【ディスプレイ広告(運用型)】入札戦略「ビューアブルインプレッションの最大化」の正式リリースと予算下限変更
参照元:LINEヤフー for business -【ディスプレイ広告(運用型)】「ビューアブルインプレッション数の最大化」の正式リリースと予算下限変更のお知らせ
■ ビューアブルインプレッション数の最大化
ディスプレイ広告(運用型)において、β版として提供していた入札戦略「ビューアブルインプレッション数の最大化」が、正式版としてリリースされました。
「ビューアブルインプレッション数の最大化」は、キャンペーンで指定した1日の予算の範囲内でビューアブルインプレッション数が最大になるよう、入札価格を自動的に調整する入札戦略です。
利用を推奨するキャンペーンの条件は特になく、 すべての「ブランド認知」のキャンペーンで利用可能です。
加えて、この入札戦略に対する最適化提案が新たに追加され、最適化スコアの対象にも含まれるようになっています。
■ 予算下限の引き下げ
「ブランド認知」キャンペーンにおける1日の予算下限が、これまでの50,000円から100円へと大幅に引き下げられました。
これにより、より柔軟な予算設定が可能となり、さまざまな広告主のニーズに対応しやすくなっています。
【ディスプレイ広告(運用型)】サーチキーワードターゲティングの提供終了
参照元:LINEヤフー for business -【ディスプレイ広告(運用型)】サーチキーワードターゲティングの終了に伴う自動移行と提供終了について
Yahoo! ディスプレイ広告(運用型)において、サーチキーワードターゲティングの提供終了に伴い、自動移行および設定変更が段階的に実施されます。
■サーチキーワードターゲティングとは?
検索ユーザーの行動履歴(検索語句)をもとに、意図に合わせて広告配信できるターゲティング機能。
サーチキーワードターゲティングの終了後は、オーディエンスリストターゲティングの「高度なセグメント」への移行が推奨されています。
- 2025年7月16日(水):キーワードリストの広告グループ関連付けを終了。自動移行の設定選択も不可に。
- 2025年7月22日(火):自動移行の処理を開始。
- 2025年8月下旬:自動移行の完了と同時に、サーチキーワードターゲティングの提供を正式終了。
- 2026年春頃:パフォーマンスレポート上でのデータ取得も終了予定。
■自動移行と終了処置の内容
自動移行 | ・直近で配信実績あり ・移行先のオーディエンスリストが上限以内 キーワードリストを「高度なセグメント」へ変換し、同一広告グループで再設定。既存のリスト関連付けは削除。 |
終了処置 | ・直近で配信実績なし |
※高度なセグメントとは、任意のフリーワードを入力すると、それを基に拡張・最適化を行い、ユーザーリストを作成して広告配信を実施します。登録したキーワードに加え、そのキーワードと関連性の高いワードを検索したユーザーにも対象を拡張し、さらにアクションが期待できるユーザーを選定して広告を配信します。
参照元:LINEヤフー for business – 高度なセグメントで実現する進化版のサーチキーワードターゲティングとは?
サーチキーワードターゲティングの終了により、Yahoo!ディスプレイ広告のターゲティング設計が変化します。今後は「オーディエンスリストターゲティング(高度なセグメント)」を活用した運用が主軸となるため、早めの切り替えと実績データの保存が重要です。
【ディスプレイ広告(運用型)】実績のない「高度なセグメント」リストのデータ連携停止
参照元:LINEヤフー for business -【ディスプレイ広告(運用型)】実績のない「高度なセグメント」リストのデータ連携停止について
Yahoo! ディスプレイ広告(運用型)において、オーディエンスリストターゲティングの精度向上を目的として、一定期間実績のない「高度なセグメント」リストのデータ連携を停止しました。
■対象リスト
高度なセグメントのうち、過去100日間にインプレッション実績がないもの。停止されたリストには、広告管理ツール上で三角形のアイコンが表示されます。
該当するオーディエンスリストは自動でデータ連携が停止されます。実績のないまま放置されている高度なセグメントは、今後も停止対象になる可能性があるため、定期的なリストのメンテナンスが必要です。
【検索広告】広告表示アセットの削除機能が追加
参照元:LINEヤフー for business – 【検索広告】広告表示アセットの削除機能追加について
Yahoo!検索広告において、これまで削除できなかった広告表示アセットが削除可能になりました。
不要なアセットを整理することで、広告運用の効率化や利便性の向上が期待されます。
検索広告の全アセット(画像、ファビコンなど)が対象となります。
一括で最大100件まで削除でき、削除されたアセットは一覧から非表示になるだけでなく、アカウントから完全に削除されます。
【ディスプレイ広告(運用型)】スマートフォン版ブランドパネル枠に1:1レスポンシブ (画像)を追加
参照元:LINEヤフー for business -【ディスプレイ広告(運用型)】スマートフォン版ブランドパネルに1:1レスポンシブ(画像)を追加
Yahoo!ディスプレイ広告において、スマートフォン版Yahoo! JAPAN ブランドパネル枠に、新たに1:1のレスポンシブアスペクト比を追加します。
フォーマットの追加により、より多彩なクリエイティブ表現が可能となり、クリック率やコンバージョン率が高い傾向にあるスマートフォン版ブランドパネル枠で、広告効果のさらなる向上が期待されます。
〈広告タイプ〉
・アスペクト比 1:1
・300pixel × 300pixel
・600pixel × 600pixel 以上
※2025年8月4日(月)実施予定(日程は変更になる場合があります。)
Microsoft広告のアップデート情報
Microsoft広告の最新事例を紹介
Microsoft広告は、マーケティングとブランディングを手がけるWORX Groupによる、革新的なリード獲得戦略を最新事例として紹介しています。
■主な成果
- リード数の増加:+43%(2024年後半)
- 質の高いリードの増加:+420%(前年比)
- 獲得単価(CPA):77% 削減
- P-Maxの貢献:全体リードの80%を創出
■活用した主な機能・戦略
1. P-MaxとAIの活用
・従来の「キーワード重視」から脱却し、ユーザーの意図・行動・リアルタイムの反応を中心に最適化。
・AIによる動的調整で、購買意欲の高いオーディエンスを自動的にターゲティング。
2. BtoBに強いターゲティング
・LinkedInプロファイルターゲティングを活用し、職種・業界・企業規模などのファーストパーティデータでの精緻なセグメントが可能に。
・サードパーティデータに依存せず、意思決定者への的確なリーチを実現。
3. 自動入札戦略と柔軟なスケーリング
・Microsoftの自動入札機能と組み合わせて、効果的なスケール拡大とCPA管理を両立。
■成功のポイント
- 「セットして放置」ではなく、継続的なA/Bテスト、手動の調整、反復的改善を重視する。
- 生成AIによる予測データとオーディエンスインサイトを活用する。
- AIが出す推奨に対し、人間が「適切に解釈・統合」することで、戦略精度と成果の両立を目指す。
WORX Groupは、「AIは戦略を置き換えるものではなく、補完し強化するもの」と位置づけ、AIの自律性に依存するのではなく、人間の専門知識とAIの力を融合させて戦略的な意思決定に活用しています。
弊社ではWeb集客の分析や改善提案など、製造業・建築業に特化したデジタルマーケティングのプロがトータルサポートを行っております。いつでもご相談ください。
2025年6月(一部2025年5月)の間に発表があったWEB広告メディアのアップデート情報をいくつかピックアップしました。参照元サイトは英語版のみの場合もあります。Google広告のアップデート情報デマンドジェネレーションキャン[…]