2025年8月(一部2025年7月)の間に発表があった、Google広告やYahoo!広告、Microsoft広告などのWEB広告メディアのアップデート情報をいくつかピックアップしました。
参照元サイトは英語版のみの場合もあります。
Google広告のアップデート情報
P-Maxキャンペーンアップデート:可視性と管理性の向上
参照元:Google広告ヘルプ – P-MAX の可視性と管理性を向上
Google広告は「P-MAX キャンペーン」の可視性(見える化)と管理性(操作性)を強化するアップデートを発表しました。
今回のアップデートは、以下の3点が大きな柱となっています。
- リーチ拡大 & ターゲティング強化
- 新規顧客獲得レポートの精度向上 & 診断機能追加
- クリエイティブの可視化 & AI最適化提案
■リーチ拡大とターゲティング強化
P-MAXキャンペーンにおいて、広告を配信する対象や方法を柔軟に設定できるようになりました。
- キャンペーン単位の除外キーワードリスト
複数のキャンペーンにまたがって「除外リスト」を一括適用可能に
〈例〉「安い」「セール」を除外し、高級ブランドの価値を守る
〈適用範囲〉検索広告枠・ショッピング広告枠 - 検索テーマの上限数を拡大
アセットグループあたり25個 → 50個に拡大
→ より多くの関連キーワードでユーザーにリーチ可能に
→ ブランド情報に基づき、新たな顧客層へ効率的にアプローチ
検索語句レポートにAPI経由でアクセス可能となり、検索行動の分析やコンバージョン貢献の可視化が容易に - ターゲティングオプションの追加
・デバイス別ターゲティング:広告配信先デバイスを細かく指定可能(例:ゲーム対応機種のみ)
・年齢ターゲティング:商品や規制要件に適した年齢層へ
・性別ターゲティング:ベータ版が提供開始
■新規顧客獲得レポートと診断機能の改善
新しいレポートと診断機能により、新規顧客を効率的に獲得できるようになりました。
- 新規顧客レポートの精度向上
新規顧客とリピーターでデータ分割すると、「不明」と表示されるケースがあったが、AI改善により解消
→ 新規顧客か既存顧客かを明確に把握可能に → 入札効率が向上
・コンバージョンタグを更新し「新規顧客獲得パラメータ」を追加すれば、さらに精度を高められる。 - 目標関連の診断機能
P-MAXキャンペーンで、キャンペーンの目標やコンバージョン設定の問題を自動診断 → 解決手順を提示し、改善をサポート
■クリエイティブレポートと最適化案
広告素材(アセット)の効果をより詳しく分析し、改善できるようになりました。
- アセット単位のレポート
コンバージョン数、費用、クリック数などをアセットごとに確認可能
ユーザーがアップロードしたアセットや自動生成されたアセットも分析対象に - 最終ページURL拡張のレポート
URLの拡張機能で生成されたアセットを一覧で確認でき、不要なアセットは削除可能 - AIによるクリエイティブ改善提案
追加すべき画像の種類・既存の画像の改善方法を自動提案
広告管理画面内のAI搭載画像エディタと連携し、その場で修正可能
広告主は、「ブランドに合ったユーザーへの配信」「新規顧客獲得の効率化」「クリエイティブ改善による成果最大化」といった運用効果を期待できます。
Google トレンド API(アルファ版)提供開始
参照元:Google 検索セントラル ブログ – Google トレンド API(アルファ版)のご紹介: 検索トレンドデータへの新しいアクセス方法
Googleは、Google トレンド API(アルファ版)をリリースしました。
これまでトレンドデータはウェブサイトからの利用が主でしたが、APIによってスケーラブルで一貫性のあるアクセスが可能になります。
■Google トレンド API の主なユースケース
- 研究機関
公的資源の配分や研究の優先順位づけに活用 - メディア/パブリッシャー
新たなトレンド発掘、データに基づくストーリー発信 - ビジネス/マーケティング担当者・SEO担当者
リソース投資の優先順位の決定やコンテンツ戦略の立案に利用
利用できるデータの特徴
項目 | Google トレンドサイト | Google トレンド API |
データスケーリング | リクエストごとに0〜100 | 一貫したスケーリングで比較可能 |
期間 | 過去12か月間がメイン | 過去5年間(1,800日間)のデータにアクセス可能 |
比較可能なキーワード数 | 最大5個 | 数十個のキーワード比較が可能 |
集計方法 | 限定的 | 日別・週別・月別・年別で集計可能 |
地域データ | 一部対応 | ISO 3166-2 標準で定義されている地域や区域ごとの内訳を取得可能 |
■アルファ版テストについて
- 本番環境では不完全な部分もあるため、フィードバックできるデベロッパーを募集
- 今後数週間で一部ユーザーに提供 → 数か月かけて順次拡大予定
アルファ版 申し込みページ:Google 検索セントラル – Google トレンド API アルファ版への早期アクセスを取得する
【Google広告】AIで無効トラフィック対策をさらに強化
参照元:Google Ads & Commerce Blog – How we’re using AI in new ways to fight invalid traffic
Googleは、広告の透明性と信頼性を守るために、大規模言語モデル(LLM)を活用した新しい無効トラフィック(Invalid Traffic: IVT)対策を発表しました。
■無効トラフィックとは
無効トラフィック(IVT)とは、真の関心を持つ実在の人物から発信されていない広告活動のことで、広告主の予算を浪費し、パブリッシャーの収益を奪い、広告エコシステム全体の信頼を損なう要因となります。
■新しいAI活用のポイント
GoogleはこれまでもAIを使ってIVT対策を行ってきましたが、今回さらに精度を高めるために Google ResearchおよびGoogle DeepMindと連携し、大規模言語モデル(LLM)を活用した新しい仕組みを導入しました。
〈主な改善点〉
- アプリ・Webコンテンツ、広告配置、ユーザー行動を総合的に解析
- コンテンツレビューの精度が大幅に向上
→ 不正・欺瞞的な広告配信によるIVTを40%削減 - 広告主が本来届けたいユーザーにより確実にリーチできる
- ポリシー違反者を迅速に排除
〈広告主への影響〉
- 自動・手動によるチェックを継続実施
- たとえ不正トラフィックで広告が配信された場合でも、広告主に課金しない仕組みを維持
- より安全で透明性の高い広告配信環境が実現
Googleは20年以上にわたり広告エコシステムの健全性を守る取り組みを続けています。今回のAI強化は、進化する脅威に対抗しつつ、広告主・パブリッシャー・ユーザーの信頼を守るための最新の一歩です。
Yahoo!広告のアップデート情報
【Yahoo!広告】サイトリターゲティング実施時のデータ送信ガイドライン
参照元:LINEヤフー for business -【Yahoo!広告】広告データ利用基準 サイトリターゲティング実施時の遵守事項について
Yahoo!広告では、サイトリターゲティングなどで広告データを送信する際、透明性の確保とユーザーへの説明責任を遵守することが求められています。
〈データ送信に関する基本ルール〉
「当社へのデータ送信」とは、広告主のWebサイトにタグを設置してYahoo!広告にデータを送信するケースなどを指します。この場合、広告データ利用基準に基づき、以下の点を守る必要があります。
■送信禁止データ
広告主が取得するデータのうち、以下の内容はYahoo!広告に送信してはいけません。
- ユーザーにマーケティング利用の事実を説明していないデータ
- 当社にデータを取得・利用させる事実をユーザーに説明していないデータ
■ユーザーへの説明義務
広告主は、データ送信を行う際、ウェブサイトやアプリ内でプライバシーポリシーやトップ画面から1~2回の操作で到達できる場所に、以下を明示する必要があります。
〈説明内容〉
- 広告配信サービス利用の目的
LINEヤフー株式会社などの第三者広告サービスが、クッキー等によりユーザーの訪問・行動履歴情報を取得・利用する可能性があること - オプトアウト方法の提示
第三者の広告配信サービスによるユーザー情報の利用を停止できる手段があること
サイトリターゲティングを含む広告データ送信では、ユーザーへの透明性と説明責任が最重要です。ガイドラインを再確認し、ウェブサイトやアプリ内で適切に情報を提示することで、広告効果を最大化しつつ、ユーザー信頼を守る運用が可能になります。
【ディスプレイ広告(運用型)】スマートフォン版ブランドパネルに1:1レスポンシブ (画像)を追加
参照元:LINEヤフー for business -【ディスプレイ広告(運用型)】スマートフォン版ブランドパネルに1:1レスポンシブ (画像)を追加
Yahoo!ディスプレイ広告において、スマートフォン版Yahoo! JAPAN ブランドパネル枠に、新たに1:1のレスポンシブアスペクト比を追加しました。
フォーマットの追加により、より多彩なクリエイティブ表現が可能となり、クリック率やコンバージョン率が高い傾向にあるスマートフォン版ブランドパネル枠で、広告効果のさらなる向上が期待されます。
〈広告タイプ〉
・アスペクト比 1:1
・300pixel × 300pixel
・600pixel × 600pixel 以上
【ディスプレイ広告(運用型)】キャンペーン目的「アプリ訴求」を改善
参照元:LINEヤフー for business -【ディスプレイ広告】キャンペーン目的「アプリ訴求」の改善について
Yahoo!広告のディスプレイ広告(運用型)において、キャンペーン目的「アプリ訴求」が改善されました。これにより、より効果的で確実なキャンペーン運用が可能になります。
〈主な改善内容〉
■入稿画面・設定項目の変更
- 新規項目「サブタイプ」追加
- 「標準」または「インストール」を選択可能
- 過去に作成されたキャンペーンには自動的に「標準」が設定されます
- アプリ選択方法の変更
- 「アプリ・ツール連携」で事前に連携したアプリから選択
- 入力ミス防止、確実な設定が可能
- 広告グループ・広告の入稿画面も一部変更(詳細はヘルプ参照)
■サブタイプ「インストール」(β版)の追加
- 目的:アプリインストール数の最大化に最適化
- 特徴:効果測定項目の設定が必須 → 正確な効果測定が可能
サブタイプ | 配信最適化の目的 |
インストール(β版) | アプリのインストール数を最大化 |
標準 | アプリ内イベント(例:購入・利用)の発生数を最大化 |
〈注意事項〉
- 「インストール」を利用するには自動タグ設定をONにする必要あり
- 課金方式は条件によって以下を指定
- 「重視するインストール測定方法」が SKAdNetwork計測の場合
→ 課金方式は「ビューアブルインプレッション課金」(β版)を利用
- 「重視するインストール測定方法」が SKAdNetwork計測の場合
今回の改善により、「アプリ訴求」キャンペーンがより目的に沿った配信最適化を実現できるようになりました。特にアプリの新規インストール獲得を狙う広告主にとって、サブタイプ「インストール」は有効なオプションとなりそうです。
【検索広告】生成AIによるクイックリンクアセット提案機能の提供開始
参照元:LINEヤフー for business -【検索広告】生成AIによるクイックリンクアセットの提案機能について
検索広告において、生成AIによるクイックリンクアセットの提案機能を提供開始しました。すでに先行提供している「キーワード」や「広告のタイトル・説明文」の提案機能とあわせて利用することで、広告作成にかかる手間や時間を大幅に削減できます。
〈機能概要〉
- 入力した最終リンク先URLのウェブサイト情報をもとに、生成AIがクイックリンクアセットを自動生成して提案します。
- 提案機能は、以下の画面で利用可能です。
- 広告作成画面
- クイックリンクアセット作成画面
〈利用条件・注意事項〉
- 本機能の利用回数は 1アカウントあたり月30回まで。未使用分は翌月に繰り越されず、毎月リセットされます。
- 他の生成AI提案機能とはカウントが別となります。
- 1回の利用で、最大4つの最終リンク先URLを入力でき、それぞれに対して提案を受けられます。
- 広告主のWebサイトで生成AI関連のクローラーを拒否している場合は、本機能を利用できません。
〈先行提供中の生成AI提案機能〉
- キーワード提案(検索広告)
最終リンク先URLを入力すると、そのWebサイト情報をもとに生成AIが適切なキーワードを提案します。 - タイトル・説明文提案(ディスプレイ広告/運用型)
入力した最終リンク先URLなどの情報をもとに、生成AIがレスポンシブディスプレイ広告のタイトル・説明文を提案。提案された文言を確認・調整するだけで広告作成が可能になり、作業負担を軽減します。
【ディスプレイ広告(運用型)】スマートターゲティングの精度改善
参照元:LINEヤフー for business -【ディスプレイ広告(運用型)】スマートターゲティング 精度改善のお知らせ
ディスプレイ広告(運用型)において、オーディエンスリストを設定している広告グループでスマートターゲティングを利用する際の仕様を改善しました。
これまでは「ウェブサイト訪問ユーザー」や「アプリユーザー」のデータを中心に学習・配信を行っていましたが、今回の改善により、すべてのオーディエンスリストのデータを学習・配信に活用できるようになりました。
この変更により、より幅広いデータをもとにした最適化が可能となり、配信効果の向上が期待されます。
スマートターゲティングを利用すると、システムが自動でターゲティングを最適化し、細かい設定の手間を軽減できます。また、アカウントの状況に応じて、設定したターゲティング範囲外のコンバージョン見込みユーザーにも広告を配信できるため、機会損失を防ぐことが可能です。
※「ウェブサイト訪問ユーザー」「アプリユーザー」については、すでに同様の改善を実施済みです。
【ディスプレイ広告(運用型・予約型)】広告グループの登録上限数を変更
参照元:LINEヤフー for business – 【検索広告】広告表示アセットの削除機能追加について
Yahoo!ディスプレイ広告において、広告グループに登録できる項目の上限数が変更されました。これにより、より柔軟で効率的な広告運用が可能になります。
ディスプレイ広告(運用型) | 1広告グループに作成可能な広告数 | 300個から1000個に引き上げ |
1広告グループで配信設定を「オン」にできる広告数 | 新たに300個の上限を設定 | |
1広告グループに関連付け可能なオーディエンスリスト数 | 10個から30個に引き上げ | |
ディスプレイ広告(予約型) | 1広告グループに関連付け可能なオーディエンスリスト数 | 10個から30個に引き上げ |
【検索広告】「広告の有効性」の名称変更
参照元:LINEヤフー for business -【検索広告】「広告の有効性」の名称変更について
Yahoo!広告は、検索広告におけるレスポンシブ検索広告の指標「広告の有効性」の名称を、より分かりやすく内容を表す 「広告アセットの充実度」 に変更します。
なお、機能面での変更はありません。
・実施日以前:広告の有効性
・実施日以降:広告アセットの充実度
※2025年8月27日(水)実施予定(日程は変更になる場合があります。)
Microsoft広告のアップデート情報
P-MAXキャンペーンなど最新アップデート
参照元:Microsoft Advertising – Impression-based remarketing updates and other product news for August
今月は、P-MAXキャンペーンの管理機能をはじめとするアップデートが発表されています。
■P-MAXキャンペーンをサポートするレポートと管理機能のアップデート
- 8月に導入予定の新機能
・オーディエンス分析、検索語句、アセットレポートを提供
・インプレッションシェア・クリックシェアなどの指標も追加予定
・免責事項付き広告のサポート - 今後導入予定の新機能
・新規キャンペーン立ち上げ時に、予算の提案とパフォーマンスの見積を表示
・テスト機能の拡充
・チャネル別レポート
・自己管理型の除外キーワード設定
■インプレッションベースのリマーケティング拡張
最大20のキャンペーンまたは広告グループを組み合わせて、インプレッションベースのリマーケティングリストを作成可能になりました。
- オーディエンスキャンペーンを含む場合 → すべてのキャンペーンタイプで利用可能
- オーディエンスキャンペーンを含まない場合 → オーディエンスキャンペーンでのみ利用可能
■オーディエンス広告の通期予算
オーディエンスキャンペーンで、通期予算が利用可能になりました。日次予算を継続利用する場合も、キャンペーン単位での開始日と終了日を設定できるように改善されました。
弊社ではWeb集客の分析や改善提案など、製造業・建築業に特化したデジタルマーケティングのプロがトータルサポートを行っております。いつでもご相談ください。
2025年7月(一部2025年6月)の間に発表があった、Google広告やYahoo!広告、Microsoft広告などのWEB広告メディアのアップデート情報をいくつかピックアップしました。参照元サイトは英語版のみの場合もあります。G[…]