リスティング広告は、ユーザーが検索したキーワードに応じて広告を表示する仕組みです。そのため「どんなキーワードで広告を配信するか」が、成果に直結する重要なポイントになります。
とくにBtoB商材は、製品名や業界特有の専門用語など、ニッチなキーワードが成果に大きく影響します。この記事では、BtoB企業がリスティング広告で成果を出すためのキーワード選定方法を初心者にもわかりやすく解説します。
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キーワード選定の前にやるべき3つのこと
ターゲット(ペルソナ)を明確にする
ユーザー視点で適切なキーワードを選定するには、検索する人の立場になって考える必要があります。そのためには、職種・役職・業務課題・使っている専門用語などを細かく設定した「ペルソナ設計」が効果的です。
例:業種:産業用製造機器メーカー、会社規模:従業員200名程度、役職:開発部門の調達担当責任者、課題・ニーズ:自社製品に使用する特殊なコネクタ部品の安定供給先を探している |
自社製品・サービスの強みを整理する
自社の製品やサービスが持つセールスポイント(例:高精度、小型設計、低価格など)や、他社との差別化ポイントをあらかじめ整理しておきましょう。これにより、商品特性に基づいた独自の検索キーワードを見つけやすくなり、競合とは異なる視点でアプローチできます。
広告の目的を明確にする
広告の目的によって、選定すべきキーワードの方向性(コンバージョン重視か、表示機会重視か)は大きく異なります。例えば、「資料請求を増やしたい」「製品の販売につなげたい」といった具体的なコンバージョンポイントを設定することで、それに直結しやすいキーワードを優先的に選定できます。
一方、「自社製品の認知度を高めたい」などの目的であれば、表示回数やクリック数を重視し、より広範囲な検索ニーズをカバーするキーワードが有効です。
目的とコンバージョンポイントを最初に明確にすることが、成果につながるキーワード選定の第一歩です。
キーワードを選定する
軸となるメインキーワードの洗い出し
まずは、自社の製品やサービスを端的に表す「ビッグキーワード(単語1語)」を洗い出しましょう。ビッグキーワードとは、検索ボリュームが大きい一般的なキーワードを指します。
主なカテゴリ名や製品名
このステップでは、思いつく限りの関連キーワードを漏れなく書き出すことが重要です。
例:商品名、企業名、サービス名、業種・業態、商品やサービスのカテゴリなど |
類義語・表記の揺れも考慮
業界によって表記や呼び方が異なる場合があるため、できるだけ広く洗い出しましょう。
例:「温度センサー」 → 「熱センサー」「温感センサー」 |
キーワードの掛け合わせで「意図」に近づける
BtoBにおいては、検索キーワードが具体的なニーズを表していることが多く、2〜3語のキーワード(スモール・ミドルキーワード)が成果に直結しやすくなります。
掛け合わせのパターン例
種類 | キーワード例 |
購入系 | 温度センサー 購入、販売、導入 |
価格系 | 温度センサー 値段、価格 |
製品特性系 | 温度センサー 非接触式、小型、防爆対応 |
用途系 | 工場用 温度センサー、研究用 顕微鏡 |
軸に含まれないキーワードも活用
「センサー」という単語を含まなくても、ニーズが近い検索語句(例:表面温度 測定方法、サーミスタ)を対象に含めると、取りこぼしを防げます。
ただし、検索ボリュームが極端に少ないキーワードは配信されないことがあるため、注意が必要です。
キーワードプランナーでキーワードを見つける今回は「温度センサー」を扱っている企業がリスティング広告のキーワードを選定した場合を想定して流れをご紹介します。 関連記事 キーワードの選定はリスティング広告において重要です。広告やランディングページが魅力的でも、届けたいユーザに届かなくてはより良い効果は得られません。以前、キーワード選定についてお話ししましたが、今回はそのキーワード選定などに使える便利なツ[…] キーワードプランナーの[新しいキーワードを見つける]を利用します。 ■軸となるキーワードを入力する [キーワードから開始]に軸となるキーワードの「温度センサー」と入力をして[結果を表示]をクリック。 ■キーワードを選定する 表示されたキーワードから、検索ボリュームの傾向や関連性のあるキーワードの候補を確認します。 温度センサーに関連するキーワードとして「熱センサー」「温感センサー」などもあることがわかります。 |
マッチタイプの選定と使い分け
Google広告では、以下のマッチタイプが選択できます。
マッチタイプ | 特徴 |
部分一致(インテントマッチ) | 意図が類似していれば、語順や類語でも表示される。推奨設定。 |
フレーズ一致 | 指定語句を含む検索のみ表示。制御性が高い。 |
完全一致 | ほぼ同一の検索語句にのみ表示。費用対効果を重視する場面で活用。 |
現在はAIの進化により、部分一致でも「ユーザーの検索意図」に基づいて精度の高いマッチングが可能になっています。
最新トレンド:P-MAXや自動化広告とのバランス
Google広告ではP-MAXキャンペーンなど、自動化された広告配信が増えています。しかし、BtoBにおいては以下の理由でキーワードベースの検索広告も依然として有効です。
- 商品カテゴリがニッチで自動検出しにくい
- 技術用語や業界用語が広告配信の決め手となる
- 成約までの意思決定が長く、情報収集キーワードを拾いたい
- 自動化と手動設定を併用し、配信結果を確認しながら、成果の出る構成にチューニングしていくのが効果的です。
P-MAXキャンペーンの基礎知識をわかりやすく解説した資料をご用意しておりますので、ぜひご活用ください。 関連記事 【Google広告】P-MAXキャンペーン ~基本と運用のコツ~[metaslider id="13852"]※ホワイトペーパーはお申込み完了後、DLページのリンクを送信します。Google広告の「P-M[…] |
まとめ:BtoBこそ、戦略的なキーワード選定が鍵
リスティング広告において、BtoBは特に「誰に、何を、どんな言葉で伝えるか」の設計が成果を大きく左右します。
まずはターゲットの明確化 → 自社製品の特徴の洗い出し → キーワードの組み合わせ設計、というステップを丁寧に進めましょう。
もし、「うちの場合、どういうキーワードを狙えばよいのか?」と迷ったら、ぜひご相談ください。貴社に最適なキーワード選定と広告戦略をご提案いたします。