Google広告が推奨するアカウント設計、「hagakure」や「GORIN」、「MUGEN」といった構造名はご存知でしょうか。
聞いたことはあるけど、どういったもの?という方も多いかと思います。
例えば広告グループを作成する際、どういったグループ分けをするのが正解なのか?運用しやすいのか?
実際にリスティング広告などを運用してみるとアカウント設計について悩むこともあるかもしれません。
今回はアカウント設計について、Googleが推奨している構造の概要や特長をご紹介致します。
■アカウント設計とは?
リスティング広告のアカウント設計
リスティング広告の基本的なアカウント設計は、1つのキャンペーンの中に広告グループがあり、その広告グループの中に広告文とキーワードが入っています。
必ず1つのキャンペーンにグループを1つ。グループの中に広告文章、キーワードを各1つは登録することが、広告を掲載するために必要になります。
また、最低1つはとありますが設定できる上限数もGoogleとYahooでそれぞれ決められています。
GoogleとYahooで上限数も異なるので、設定したい項目が多い場合は確認することをおすすめします。
過去推奨されていた広告グループの設定
以前Googleからは、1つの広告グループに1つのキーワードを設定する方法が推奨されていました。
広告グループ | キーワード |
広告グループA | 「センサ 価格」 |
広告グループB | 「センサ おすすめ」 |
広告グループC | 「センサ 比較」 |
広告グループD | 「センサ 高精度」 |
1つの広告グループに1つのキーワードで作成することで、キーワード単位で広告を作成することができるため、キーワードと広告文章の関連性が高いものになります。
メリット:キーワードと広告文章の関連性を高くできるので、品質スコアを高くしやすい構造になる。
デメリット:キーワード1つに対して広告グループ、広告文章を作成するため時間と手間がかかる。
さらに広告グループことでキーワード数が少ないため、キーワードによってはインプレッションが足らず広告が掲載できない。や広告の品質を上げることが難しいこともあります。
アカウント設計の代表的な種類
リスティング広告の仕組みは機械学習や広告の自動化機能などの新しい機能が追加されることにより、その変化に合わせ推奨されるアカウント設計も変化しています。
その中で、現在時点でGoogle広告より推奨されている「hagakure」、「GORIN」、「MUGEN」、3種類のアカウント設計をご紹介します。
■hagakureについて
概要
hagakure構造は、「アカウント設計をシンプルに作成する」構造になります。
1つのグループに多くのインプレッションを集めデータを蓄積し、機械学習を効率よく、また正確に上手く活用すことが期待できます。
広告グループ例
広告グループ | キーワード |
広告グループA:「センサ」 | 「センサ 価格」 「センサ おすすめ」 「センサ 比較」 「センサ 高精度」 |
広告グループB:「計測機」 | 「計測機 価格」 「計測機 おすすめ」 「計測機 比較」 「計測機 高精度」 |
広告グループC:「顕微鏡」 | 「顕微鏡 価格」 「顕微鏡 おすすめ」 「顕微鏡 比較」 「顕微鏡 高精度」 |
過去推奨されていたグループ分けの設定と異なり、ある程度グループでまとめられるキーワードはまとめて作成します。
まとめ方に正解などはありませんが、一般的には軸キーワード(例でいう「センサ」や「計測機」など)ごとでグループを分けて設定する手法が挙げられます。
hagakureの特長
・運用(作業)工数を削減できる。
・インプレッション(データ)を蓄積しやすい。
・機械学習、自動化を活用しやすい。
などが挙げられます。
運用工数の削減は、1グループ1キーワード・広告文章と比べ、ある程度グループ分けをすることで、作成時間の手間を省くことができます。
また、インプレッション(データ)を蓄積しやすいことで、機械学習が作動し自動入札機能で最適化を進める事が期待できます。
自動入札などの最適化をするためには、ある程度またはインプレッションが多いほど最適化が進む仕組みになっています。
グループ1つあたりのキーワード量が増えることによって広告との関連性が下がりクリック率が下がる懸念もありますが、最適化を行いながら改善していくことができます。
■GORINについて
概要
次に、GORINの構造をご紹介します。
GORINはhagakureの構造をベースとしており、「ユーザーが求めた情報を正確に・適切なタイミングで届ける。」ことを目的としています。
つまり、hagakureよりもさらにデータを集め、機械学習をすすめられるようにする手法です。
GORINの構成要素
- アカウント構成
- リーチ
- ターゲティング
- 広告フォーマット
- 効果測定
この5つの要素を改善することで、機会損失を減らしデータをもっと有効に活用するための新たな方針になります。
実際に推奨される施策としては、
・予算によるインプレッションシェア損失率の改善
・広告表示オプションの設定
・RLSA(検索向けリマーケティング配信)の設定
・自動入札単価設定
・KPIに合わせた広告配信
等が挙げられます。
GORINの特長
・hagakureで運用をしているアカウントにとっては、GORINへの移行が楽
・自動入札機能の活用だけでなく機会損失を更に削減
・見込み顧客の発掘
などが挙げられます。
GORINはhagakure構造をベースにしているので、hagakureに追加要素が足されたような考え方をしています。この観点から、hagakureからの移行は楽です。
また、予算による制限がかかっている場合は機会損失が発生していると考えられるため、確度の低いキーワードの削除や配信設定の抑制で、機会損失の削減も期待できます。
その他に、hagakureよりも更にインプレッションを多く取り蓄積できるようにすることで、更なる見込み顧客の獲得が期待できます。
RLSAやKPIに合わせた広告配信をすることで確度の高いユーザーへの配信を高めることで確度の低いユーザーへの配信を減少させることもできると考えられます。
ただし、GORINはhagakureの構造でアカウントを実装していることが前提になります。GORINを実装する前にhagakureのアカウント構成を適用させましょう。
■MUGENについて
概要
最後にMUGENの構造についてご紹介します。
MUGENはGORINの機械学習による最適化をベースに、インプレッション(リーチ)の拡大を目的としています。
MUGENの構成要素
- 入札戦略
- リーチ
- 広告の品質
この3つの要素を改善することで、機械学習による最適化を図りながら、インプレッションを拡大していく施策になります。
実際に推奨される施策としては、
・スマート自動入札でKPIに沿った入札方法に設定
・狙うリーチを広げるため動的検索広告(DSA)の導入
・レスポンシブ検索広告(RSA)の導入
等が挙げられます。
MUGENの特長
・GORINよりも更に今までリーチできなかったユーザーを獲得することができる。
・Googleの自動化機能の導入で、キーワードやクエリ等の層的できなかったデータ、ユーザーを獲得できる。
・自動化による、入稿や作成の運用(作業)工数の削減
などが挙げられます。
MUGENではGORINよりも機械学習や自動化による機能が追加され、インプレッションの拡大でリーチを広げる事が期待できるようになりました。
自動入札だけでなく、キーワードや広告文章の自動生成により作業の工数削減が可能になります。
作業の工数のみならず、想定できなかったキーワードの選定も自動化されることにより、顧客の獲得についても期待できます。
■まとめ
今回は、Google広告が推奨するアカウント設計、「hagakure」や「GORIN」、「MUGEN」の概要や特長について紹介しました。
Googleが推奨しているので是非取り入れたいアカウント設計にはなりますが、あくまで推奨になります。
これらの構造に沿って構築したからと言って、上手く運用できるものとも限りません。
それぞれの構造設計ができていなければ、コストがかかる一方で成果がでない状況になることもあります。
アカウント設計の再構築のタイミングや、KPI(目標)、構造の設計など方針を決めてから実施されることをお勧めします。
自社のアカウントはどうだろうか。今一度見直して、最適なアカウント構造、設計で成果を獲得していきましょう。
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