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〈BtoB向け〉リスティング広告の基礎 -成功へ導く効果的な広告戦略-

〈BtoB向け〉リスティング広告の基礎 -成功へ導く効果的な広告戦略-

現在、BtoBビジネスでもリスティング広告は重要なマーケティング手法のひとつです。リスティング広告は、企業の製品やサービスを採用する担当者に直接アプローチできるため、企業間取引における成果を向上させる効果があります。
この記事では、貴社のヒントとなるようなBtoBにおけるリスティング広告のとらえ方について具体例なども交えてわかりやすく説明していきます。

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BtoB企業の定義

ここでのBtoB企業とは、一般消費者ではなく、他の企業に対して製品やサービスを販売・提供している企業を指します。例えば、部品メーカーが装置メーカー向けに製品を販売したり、建材メーカーが建築設計事務所や工務店、ゼネコンに製品を販売したりするケースがこれにあたります。

リスティング広告の基本

リスティング広告とは、検索エンジンの結果ページに表示される有料広告のことを指します。「検索広告」とも呼ばれ、GoogleやYahoo!、Bingの検索結果ページで目にする機会が多いでしょう。

リスティング広告例

海外でもこれらの検索エンジンが主流ですが、国ごとに検索エンジンのシェアは異なります。日本ではあまり馴染みのない検索エンジンも存在します。例えば、中国では百度(Baidu)、韓国ではNAVER、ロシアではYANDEXなどが一般的に利用されています。広告を出す国やユーザー属性に応じて、適切な検索エンジンを選ぶことが重要です。

BtoB企業にとってのリスティング広告のメリット

「リスティング広告は、一般消費者向けだからBtoBには向かないのでは?」と思われるもしれません。しかし、実際にはBtoB企業でもリスティング広告を使って、効率的に問い合わせや商談の機会を増やすことができます。

過去に当社で行った製造業へのアンケートでも、リスティング広告から問い合わせたり、製品採用をした実例もあり、BtoB市場でもリスティング広告は有効な手段であることが分かります。

リスティング広告は、検索エンジンの検索結果画面にテキスト広告として表示される形式で、ユーザーが特定のキーワードを検索した際に広告が表示される仕組みです。この方法により、広告主は特定の検索意図を持つユーザーに直接アプローチできます。クリック課金型のため、広告が表示されるだけでなく、実際にクリックされた場合のみ課金されるため、無駄な広告費がかかることはありません。

さらに、リスティング広告はリアルタイムでの効果測定が可能で、どのキーワードや広告文が最も効果的かをチェックできます。このため、リスティング広告は費用対効果が高く、予算を効率的に利用することができる広告媒体です。

使用する予算を設定できること引合件数など広告の効果測定が数値的に行えることがリスティング広告の特長と言え、BtoB企業のマーケティングにも適した手法となっています。

リスティング広告に向いている商材と不向きな商材

BtoB市場においてもリスティング広告は効果的ですが、全ての商材がリスティング広告でうまくいくとは限りません。 リスティング広告の向き不向きの違いは、主に検索需要の大きさによります

例えば、特定の業界でしか使えない検査装置と、どの業界でも使える検査装置を比較してみましょう。前者は「自動車業界 検査装置」のような範囲を絞ったキーワード、後者は「検査装置」といった広いキーワードで広告を出すことになります。

ここで検索需要を調べてみると、「自動車業界 検査装置」といったキーワードはほとんど検索されていないことが分かります。このようなキーワードで広告を出しても、検索回数が少ないため広告が表示される機会が限られ、結果として期待するターゲットにリーチできません。また、仮に表示されたとしても、意図したターゲット以外のユーザーにクリックされ、無駄な課金が発生するリスクがあります。

BtoB商材では、キーワードを詳細にしすぎると、検索されない可能性があり、広告が表示される機会を失うことがあります。一方、大抵のBtoC商材は幅広い属性や目的で検索されるため、ターゲットを絞った商品でも広告が表示される可能性が高いと言えます。

〈Google検索での月間検索回数  BtoBとBtoCの比較例〉
Google検索での月間検索 BtoB回数Google検索での月間検索 BtoC回数自社製品がリスティング広告に向いているかどうかは、検索需要の調査によって判断する必要があります。広告で使用するキーワードの月間検索数を調べることで、広告費用やクリック数、さらにユーザーを引き込むWebサイトの完成度に応じた引合件数の予測が可能になります。

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BtoBリスティング広告が失敗する理由

BtoB企業でリスティング広告がうまくいかない理由として、前述の検索需要の不足に加え、広告運用者がターゲット業界に対する知識を持っていないことがよく挙げられます

例えば、デモが必要な製品をECサイトで販売しようとするなど、短期間で引合や購入を増やす戦略はBtoB市場では効果的ではありません。BtoB商材では、問い合わせから購入までに1年以上かかることも多く、意思決定には複数の関係者が関与するため、BtoC商材のように短期間での購入には至りません。このため、広告を設計する際には、BtoB特有の長い購買プロセスや複雑な意思決定を考慮する必要があります。

もし、リスティング広告の成果が思わしくない場合は、貴社の営業チームにターゲット業界や顧客へのアプローチ方法について確認してみてください。業界の知識や販売プロセスを理解した上で広告運用を行うことで、より効果的な広告戦略を構築できるようになります。

成功へ導くBtoBリスティング広告戦略

リスティング広告を効果的に実施するためには、5つの基本ステップがあります。それは、『ターゲットの明確化』、『キーワードの選定』、『広告文の最適化』、『ランディングページの最適化』、そして『パフォーマンス測定と改善』です。

〈STEP1〉ターゲットの明確化

まず、ターゲットの明確化が必要です。自社の顧客データや市場調査を活用して、ターゲットとなる企業の意思決定者のプロファイルを作成します。ターゲットのニーズや抱える課題を理解することで、より効果的な広告配信が可能となります

〈STEP2〉キーワードの選定

次に、キーワード選定が非常に重要です。業界特有の用語を活用することで、ターゲットとなる層にアピールしやすくなります。例えば、「粉体混合機」を広告する場合、「ミキサー」などの一般的な言葉を使うと、ターゲット外のユーザーにクリックされる可能性が高まります。一方、「混合機」や「攪拌機」など、業界の技術者が使用する専門用語を選ぶことでセグメントを絞り、より精度の高い広告配信が可能になります。

キーワードの選定方法また、キーワード選定では「部分一致(インテントマッチ)」「フレーズ一致」「完全一致」といったマッチタイプを適切に設定し、意図した検索結果に表示されるよう調整します。キーワード選定は、広告パフォーマンスに大きく影響を与えます。

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〈STEP3〉広告文の最適化

次に、広告文の最適化が必要です。BtoB市場では、製品採用にかかわるキーマンに直接アプローチすることが重要です。広告文には、業種や職種に関連した具体的なフレーズを盛り込みましょう。例えば、「技術部門向け〇〇」や「設計者必見」などの表現が効果的です。
また、利益を強調し、例えば「歩留まり率〇〇%向上!」といったフレーズで製品の利点を数字を用いて具体的に伝え、さらに「無料デモを申し込む」といったアクションを促すフレーズを加えることで、ユーザーのアクションを促せます。

〈STEP4〉ランディングページの最適化

ランディングページ(LP:Landing Page)とは広告をクリックした先のリンクページのことを指します。このランディングページのデザインはコンバージョン率にも影響を与えます。ユーザーが直感的に理解しやすく魅力的に感じるページはエンゲージメント率の向上や離脱率の低下も期待できるためです。動線がしっかりしていると、訪問者はよりスムーズに目標とするアクションを取ることができます。
さらに、ローディング速度まで配慮できればより良いでしょう。ユーザーがストレスなくページを閲覧できる環境を整えましょう。
また、広告配信するキーワードをランディングページ内に含めると、広告プラットフォームから広告の関連度が高いと評価されやすくなります。

ランディングページ … UX(ユーザーエクスペリエンス=ユーザー体験)の向上を意識

〈STEP5〉パフォーマンス測定と改善

最後に、広告のパフォーマンスを測定し、改善を行うことも必要です。クリック率(CTR)、コンバージョン率(CVR)、コンバージョン単価(CPA)などの指標を定期的に確認し、グループ編成やクリック単価、配信時間帯、配信デバイスなどを調整していきます。特に、意図しないキーワードで広告が表示されていないかを確認し、不要なキーワードを除外するなどの地道な作業が結果にインパクトします。
また、広告文のA/Bテストを実施して、効果的なメッセージを見つけることも必要不可欠です。

限られた予算での効果的なBtoBリスティング広告戦略

BtoB企業では、専任の広告担当者を置いていないことも多く、費用や時間が限られる中で効果を上げなければなりません。その中で先ほどの5つのステップ全てを完璧に実施するのは難しいかもしれません。そこで、限られた予算でも効果を最大化できる戦略として、まずは「キーワード選定」に注力することをご提案いたします。自社の製品や競合他社との比較を通じて、最も集客効果が高いキーワードに焦点を当て、広告を配信してしまえば良いのです。そうすれば自然と貴社WEBサイトの弱点を埋める広告配信ができるようになり、今より確実に集客力を上げられます。

〈競合とのSEO比較〉
競合とのSEO 比較競合が強いキーワード、自社が弱みとなっているキーワードを把握

〈競合の広告出稿状況〉
競合の広告出稿状況競合のWeb広告出稿状況を把握

BtoBリスティング広告の未来と展望

BtoBリスティング広告は、テクノロジーの進化とともに大きく変化しています。広告プラットフォームでは、AIによる最適化やビッグデータの活用が進み、よりターゲットに合った広告配信が可能となってきました。

テクノロジーの進化の影響

AIや機械学習を活用した広告配信エンジンは、顧客の購買履歴や行動パターンを分析し、最適なタイミングで広告を表示することができます。このような技術の進化は、BtoB企業が限られたターゲット数でも効果的に顧客を獲得し、ビジネス成長を支える重要な要素となっていくでしょう。

新興市場とグローバル戦略

新興市場でのBtoBリスティング広告は、グローバル展開の成功に欠かせない要素です。海外ではインターネットの普及が進み、デジタル広告の影響力が高まっています。企業がオンラインで商材を探し、ビジネスパートナーを見つけるケースも増加しており、リスティング広告が効果を発揮する場面が増えています。

また、グローバル市場では、日本の検索エンジンにも海外メーカーが広告を配信するようになってきました。自社がグローバル展開をしていなくても、海外の企業が競合となる場合があるため、海外市場の動向にも注目し、戦略を見直すことが必要です

プライバシーとデータ使用のトレンド

BtoBリスティング広告の運用において、プライバシー保護とデータの適正使用も重要なテーマです。特に、欧州のGDPR(EU一般データ保護規則)といった規制を遵守することは、法的リスクを避けるだけでなく、顧客からの信頼を守るためにも不可欠です。データの適正な管理と透明性を確保することで、広告の信頼性が高まり、長期的な顧客関係の構築にもつながります

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企業はプライバシー関連の規制を理解し、マーケティングチームや広告代理店と連携して、透明性のある広告運用を進めることが求められます。

BtoBリスティング広告のまとめ

BtoBリスティング広告は、企業間取引においても非常に効果的なマーケティング手法です。検索エンジンを活用し、特定のニーズを持つ担当者に直接アプローチすることで、効率的に問い合わせや商談の機会を得ることができます。

成功には、ターゲットの明確化、適切なキーワード選定、広告文やランディングページの最適化が不可欠です。これらを継続的に改善しながら運用することで、費用対効果を高めることができます。
また、テクノロジーの進化により、AIや機械学習を活用した最適化やグローバル展開への対応も視野に入れることで、さらなる成果が期待されます。

BtoBリスティング広告は、企業の成長を支える重要なツールであり、効果的に活用すれば競争力を大幅に向上させることができるでしょう。

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